「音楽は映画にとって2つ目の脚本」リュック・ベッソン監督が40年来の盟友エリック・セラとの共同作業を語る!
『グラン・ブルー』(88)や『ニキータ』(90)、そして『レオン』(94)など、映画ファンから長年愛される傑作を次々と生みだしてきたリュック・ベッソン監督が、原点回帰ともいえるダークでエッジの効いたエンタテインメントに挑んだ『DOGMAN ドッグマン』(3月8日公開)。このたび本作で音楽を務めた作曲家エリック・セラについてのベッソン監督のコメントが到着した。
本作は、ベッソン監督が実際の事件に着想を得て自ら脚本も務めたバイオレンス・アクション。ある夜、警察に止められた一台のトラックに乗っていた、負傷し、女装をした男“ドッグマン”(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)。彼が語り始めたのは、犬小屋で育てられ、人に苦しめられて傷つき、それでも犬たちの愛に何度も助けられてきた壮絶な半生だった。絶望的な人生を受け入れて生きていくため、犬たちとともに犯罪に手を染めてゆく男は、“死刑執行人”と呼ばれるギャングに目をつけられ…。
10代の頃からプロミュージシャンとして活躍していたセラは、ロックバンドのベーシストとして活動していた18歳の頃にベッソンと出会い、ベッソンの監督デビュー作『最後の闘い』(83)で初タッグ。『サブウェイ』(85)を経て『グラン・ブルー』でセザール賞音楽賞を受賞すると、以後も『ニキータ』や『レオン』はもちろんのこと、『フィフス・エレメント』(97)から『LUCY/ルーシー』(14)に至るまで数多くのベッソン作品を彩ってきた。
「音楽は映画にとって2つ目の脚本のようなもの。まずは脚本があり、それを高めるかたちで音楽が書き下ろされる」と、ベッソン監督は自身の作品における音楽の重要性を語る。「監督と作曲家が長年タッグを組むケースはとても多いだろう。エリックとは40年来の付き合いだが、背中を押すのは私で、常に協力しながら新しいものを作れるのではないか?と提案していきます」と、本作でも良好な協力関係のもとで映画を彩る音楽を作りあげていったことを振り返る。
そして「『DOGMAN ドッグマン』ではたくさんの犬の音を録音していて、音響の20%くらいは犬の音を使用しました。うまく機能しているのではないかと思っています」と自信をのぞかせる。ベッソン監督とセラの抜群のコンビネーションが生みだした音楽に注目しながら、本作の世界を味わってほしい。
文/久保田 和馬