佐藤嗣麻子監督、『陰陽師0』世界最速試写会で夫・山崎貴監督にお祝いコメント「獲ると思っていました」
映画『陰陽師0』(4月19日公開)の世界最速試写会が3月11日、ワーナー・ブラザース内幸町試写室にて開催され、本作の監督を務めた佐藤嗣麻子と呪術監修の加門七海がトークイベントを行った。
佐藤監督の夫である山崎貴監督は映画『ゴジラ-1.0』(公開中)で日本時間11日、米アカデミー賞視覚効果賞を受賞。同賞の受賞はアジア映画では初。さらに、アカデミー賞の長い歴史のなかで監督として同賞を受賞したのは『2001年宇宙の旅』(68)のスタンリー・キューブリックのみ。55年ぶり史上2人目の受賞監督という快挙を成し遂げた。
佐藤監督は「ノミネートされる前から、獲ると思っていました」とニッコリ。「いろいろな状況を見ると絶対獲ると思っていたので、“心配しなくていいよ”と言っていたんです。でも、本人はすごく不安がっていて」と笑みを浮かべながら山崎監督の様子に触れていた。山崎監督から「獲りました」と報告があったとし、「おめでとうございます」と家で飼っている保護猫の写真を添えて返信したとうれしそうに話した。
佐藤が監督を務めた『陰陽師0』は、小説「陰陽師」シリーズを手がけた夢枕獏が全面協力し映画化。平安時代に実在した呪術師の安倍晴明が陰陽師になる前の学生時代を描く完全オリジナルストーリーとなっている。晴明を山崎賢人が演じ、染谷将太が晴明に事件解決を依頼する源博雅役で出演。
いま、陰陽師をテーマに映画を作った理由は「SNSとかを見ていると事実なんかどうでもよくて、思い込みで論争しあっている。全員が“呪(しゅ)”にかかっている、“呪”が渦巻いていると思って。それをパッと祓ってくれる陰陽師が現れるといいなという思いで復活させました」と説明した佐藤監督。本作を手がける上で、「平安時代についてめちゃくちゃ調べました」と力をこめ込め、劇中で山崎、染谷が身につける衣装の実物を見せながら、素材、模様のこだわりを解説し、観客を唸らせていた。
呪術監修の加門がこだわったのは「佐藤監督が描きたい呪術世界を補佐する形で盛り上げること」だった。アレンジはしているが、探せばもとにしたものがわかる呪術が登場するそうで、「そういう世界が好きな人は何度も繰り返し観て、深掘りするのが楽しいと思います」とリピート鑑賞をおすすめ。佐藤監督は「(夢枕) 獏さんの『陰陽師』シリーズが好きな人には、晴明と博雅のバディが推しポイントです」とし、劇中では晴明がツッコミ役になっているが、カメラが回っていない時には「ほわほわーっとした2人が、ほわほわーっと会話していました」と山崎、染谷の撮影裏話を明かし、会場もほんわかした雰囲気に包まれた。
イベントでは「日常で使える呪術を学ぼう!」「呪印を結んでみよう!」など、ちょっと変わったチャレンジをするコーナーも。真っ直ぐ立てた左手の中指に曲げた人さし指を添える“晴明ポーズ”にも挑戦した。ちなみに、日常で使える呪術として加門が紹介したのは、人に奢ること。お金を“はらう”ことで自身の厄を落とし、奢った相手には“福”がくると言われているそうで、お金は最強のアイテムだと力説。奢る時も「福をあげよう!」ということを意識して使うとよいとアドバイスしていた。
取材・文/タナカシノブ
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記