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「ハリー・ポッター」「ファンタビ」シリーズの小道具制作を手掛けたピエール・ボハナにインタビュー!ダンブルドア校長室の裏側も紹介

インタビュー

「ハリー・ポッター」「ファンタビ」シリーズの小道具制作を手掛けたピエール・ボハナにインタビュー!ダンブルドア校長室の裏側も紹介

「ハリー・ポッター」シリーズや映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズを始め、昨年公開の『ザ・フラッシュ』や『MEG ザ・モンスター2』、『バービー』など、数々のハリウッド超大作の造形美術を担う、小道具制作ヘッドのピエール・ボハナが来日。「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」にて、映画「ハリー・ポッター」の造形美術の裏側や、「スタジオツアー東京」における展示のこだわりについて、小道具制作のヘッドならではの視点で語ってくれた。

「レストレンジ家の金庫にある宝石類は、25万点以上も作った」

 【写真を見る】「ハリー・ポッター」「ファンタビ」シリーズの小道具制作ヘッド、ピエール・ボハナにインタビュー!これまで最も苦労した「ハリポタ」シリーズの小道具とは?
【写真を見る】「ハリー・ポッター」「ファンタビ」シリーズの小道具制作ヘッド、ピエール・ボハナにインタビュー!これまで最も苦労した「ハリポタ」シリーズの小道具とは?

2012年に英国ロンドン郊外に、世界初の「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン」がオープンしてから12年。「映画関連の美術館や博物館は世界各地にあるとは思いますが、『ハリー・ポッター』の世界観を余すところなく表現したうえで、それを来場者の皆さんに伝えるだけでなく、映画づくりの裏側を見る楽しみをも提供するという、その両方を兼ね備えているところが、『スタジオツアー』の大きな特徴なんです」と語るボハナ。「そういった『スタジオツアー』ならではの特徴に魅了されている人々が、世界中にいかに沢山いるか――。それは『スタジオツアーロンドン』での成功によって、すでに十分に証明されていると言えますよね」と、ゆるぎない自信を覗かせる。

昨年6月にオープンした「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」
昨年6月にオープンした「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」

そのうえで、昨年新たに日本に誕生した、アジア初となる「ワーナーブラザース スタジオツアー東京」については「J.K.ローリングのストーリーが生み出した『ハリー・ポッター』の映画の世界を祝福するような位置づけにあたる」とし、「スタジオツアーロンドン」における経験を踏まえて様々な改良も加えられていることから、「ストーリーテリングの面でも、展示内容の面でも、ロンドンのものより一層洗練されたものになっているはず。実際に、映画のセットの中に入り込むことで没入感を味わいながら、そこからさらに一歩引いて、それらがいったいどうやって作られているのか。その裏側も知ることができる施設になっているのではないでしょうか」と分析する。

ダンブルドアの校長室には、映画ではほとんど映ることのなかった場所や小物も存在する
ダンブルドアの校長室には、映画ではほとんど映ることのなかった場所や小物も存在する

映画「ハリー・ポッター」シリーズにおいては、「魔法の世界」を作り上げていくそのプロセス自体が「制作陣にとっても非常に大きな挑戦であった」と振り返る一方、同じ世界観を共有しながらも、“時代モノ”でもある「ファンタビ」では「土台となるその世界観を、さらに拡大していく作業が求められた」と語るボハナ。これまで何千~何万と手がけてきた小道具のなかでも特に具現化するうえで苦労したのが、レストレンジ家の金庫の中にある金、銀、銅などの宝石類。「ゴム素材で25万点以上も作った」というから気が遠くなる。

さらに、小道具や造形美術の魅力について、「最初から脚本に細部までしっかりと書き込まれている場合と、十分には書かれていない場合と、作品ごとに大きく異なるのですが、白紙の状態からひとつの映画が出来上がるまでの間に、そこに登場する小道具がいったいどういうものであるのかを発見していく。そのプロセスの旅自体に大いなる喜びがあるんです」と語るボハナ。まったく異なる作品ごとのインスピレーションをどのように得ているのかと尋ねると、「脚本のみならず、監督はもちろんのこと、映画に関わるありとあらゆる部門のスタッフの仕事からインスパイアされています。撮影の準備を進めるなかで、情報や知識をどんどん増やしながら世界観を生み出していくんです」とその舞台裏を明かした。


 校長室のショウケースには、博識で天体が好きなダンブルドア校長らしい、小物の数々が並ぶ
校長室のショウケースには、博識で天体が好きなダンブルドア校長らしい、小物の数々が並ぶ

小道具は、ファンタジーやSFの映像作品の魅力を語るうえでもっとも大きな要素の一つだが、ボハナは「自分たちの仕事がその映画に貢献できているとしたら、それ自体がとても名誉なこと」だといい、「ビジュアルでストーリーを語る必要性のある映画において、各部門のクリエイティブディレクターがいかに自分たちの仕事に自信と誇りを持っていようとも、最終的なジャッジを下せる立場にあるのは、現場の最高責任者であり、ストーリーテラーでもある監督しかいない。作品の世界観を理解したうえで、監督を筆頭に、クリエイティブに関わるすべてのスタッフが一丸となって作り上げていくことがなにより大切」であると強調する。

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