藤井道人監督がひと目惚れした”台湾の最高な役者”は誰?『青春18×2 君へと続く道』の台北記者会見をレポート
中華圏では大人気スターのシュー・グァンハン。「なぜ彼をキャスティングしたか」という現地のメディアから来た質問に対して、藤井監督が「18歳と36歳のジミーは同じ方に演じてもらいたいと最初から考えていました。それができる台湾の最高な役者は誰ですか?と聞いたら、ほぼ全員が『グァンハン』と答えました。実際に会ったら、すごくシャイなステキな男の子だったので、会ったその日のうちにジミー役をお願いしました」と答えた。実際の撮影について「旅をするジミーが雪国を見たり、日本で撮ったシーンはどれもとても印象深いし、ドキュメンタリーを撮っているような気分にさせてくれるいい経験でした」と振り返った。
「監督がおっしゃったように、日本での撮影は本当にロードトリップみたいで、一歩一歩、旅が進んでいきます」とシュー・グァンハンが頷いた。「本当にドキュメンタリーを撮っているみたいでした。例えば旅の途中で出会った方との別れのシーンとかも、1台のカメラが外で、1台のカメラが車の中で撮影し、本当にそのままお別れで、それぞれの旅を続けていきます。僕にとってはとても特別な経験で、演技をしているではなく、ジミーの行動をそのまま自分に投影させて記録してもらった感覚です」。
初共演した清原はシュー・グァンハンの魅力について、「優しくて紳士的。現場で毎朝『おはようございます』とご挨拶を交わし、そばにいてくれるから頑張ろう!と思えるような温かい存在でした」と語り、それを聞いたシュー・グァンハンは少し照れ笑いを見せる場面も。
ジミーとアミが一緒にバイク乗って夜の町を走るシーンが印象的な本作。清原が「バイクの二人乗りは初めてでしたので怖かったですけど、グァンハンさんの運転がお上手でした」と切り出した。恋人や好きな人と一緒にバイクに乗ることが、現地でも定番デートだという。「アミも絶対ここ(ジミーが運転するバイクの後ろ)で、階段を一歩ずつのぼっていくようにジミーへの気持ちを募らせていたんだろうなって思います」とにっこり。
バイクシーンをはじめ、台湾の風土人情を映しだされる本作について、清原はアミとジミーが一緒にアルバイトをした「カラオケ神戸」が印象的だったと挙げた。「あの日常感、人の温かさにアミはふれて生きていました。いま思い返しても心温まるようなシーンだと思います」。
台湾でも「美食天国」と呼ばれる台南。地元の甘口の料理がお気に入りだったという。「私は甘党なので、台南のご飯がすごくおいしくて。毎日ご飯のことを考えて撮影を頑張っていました」と清原は笑顔を見せた。「撮影現場でのお弁当のバリエーションの多さにびっくりしました。日本で撮影する時は、朝、昼、晩でたくさんのバリエーションの食事が出てくることはそんなにないので、すごく感動しました」と撮影時にびっくりした台湾の食事事情を語った。
今回のプロモーションイベントで再び台湾に訪れた清原と藤井監督。シュー・グァンハンは、「時間があったら、台北の保安宮、行天宮(台湾の有名な寺院)に案内して、台湾の伝統文化を体験していただきたいです。グルメでいうと、花生巻冰淇淋(ピーナッツアイスクリームクレープ)か、地瓜球(さつまいもを使用した揚げ菓子)など、台湾スタイルの夜市の食べ物を味わっていただきたいですね」と目尻を下げた。
『青春18×2 君へと続く道』はひと足先に台湾で公開中。キャスト陣・制作陣ともに自信をのぞかせる本作は5月3日(金・祝)に日本で公開されるので、ぜひ劇場で味わってほしい。
取材・文/編集部