夢枕獏、『陰陽師0』での山崎賢人は「いままでにない晴明」と絶賛!佐藤嗣麻子監督は「呪術オタクに観てほしい」

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夢枕獏、『陰陽師0』での山崎賢人は「いままでにない晴明」と絶賛!佐藤嗣麻子監督は「呪術オタクに観てほしい」

安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた“呪術エンタテインメント”『陰陽師0』(4月19日公開)。本作のロケ地の一つとなった岩手県奥州市での特別試写会が3月14日、「江刺体育文化会館ささらホール」にて開催された。上映前に開催された囲み取材では、監督と脚本を務めた佐藤嗣麻子、原作の夢枕獏、奥州市市長の倉成淳が登場し、本作の魅力について語った。

囲み取材では記念品の授与も行われた
囲み取材では記念品の授与も行われた

時は平安時代。陰陽師は呪いや祟から都を守る役割を果たしていた。陰陽師の省庁であり学校でもある「陰陽寮」の学生(がくしょう)、安倍晴明(あべのせいめい)は、呪術の天才ながらも陰陽師に興味を示さず、周囲から距離を置かれる存在だった。ある日、貴族の源博雅(みなもとのひろまさ)から皇族の徽子女王(よしこじょうおう)を襲う怪奇現象の解決を依頼される。晴明と博雅は衝突しながらも真相を追うが、ある学生の変死をきっかけに凶悪な陰謀と“呪い”が動き出す。

取材の冒頭では、倉成市長より「佐藤監督の夫である山崎貴監督が『ゴジラ-1.0』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞した際に、どういうお話をされたのですか?」と質問。佐藤監督は「お互いにハグして、よかったね、としみじみ話しました」と、日本映画史上初の偉業についての喜びを明かした。続けて倉成市長は、「ゴジラは“-1.0"で、陰陽師は“0"。数字にこだわりはあるのですか?」と佐藤監督に問うと、「陰陽師の方が勝つっていう意味です(笑)」と冗談を交えつつ、「原作よりもちょっと前の話で、エピソード0です」と、タイトルの意図について説明した。

『陰陽師0』特別試写会のフォトセッションの様子
『陰陽師0』特別試写会のフォトセッションの様子

夢枕の原作の前日譚とした理由について佐藤監督は、「陰陽師」が様々なメディアでやり尽くされていたからだと説明する。「獏さんが原作を書かれてから、映画やテレビドラマになり、歌舞伎やアニメーションにもなって、もはや“焼け野原”になっているのだと感じました。だったら誰も観たことのない『陰陽師』の物語がいいかなと思い、獏さんの小説にない晴明と博雅の出会いを描くことにしました」。

一方の夢枕は、もともと原作でも2人の出会いを描くつもりであったと説明しつつ、「映像を観る前に、僕が勝手に思い描いていた晴明と博雅よりずっとよかった」と熱弁。晴明を演じた山崎賢人について「いままでにない晴明だった」とし、「そのなかで僕の中の安倍晴明のイメージを逸脱しない。そこはやはり監督が上手なんだろう」と、その手腕を称賛していた。

【写真を見る】原作者・夢枕獏、山崎賢人演じる安倍晴明に「いままでにない晴明」と絶賛!
【写真を見る】原作者・夢枕獏、山崎賢人演じる安倍晴明に「いままでにない晴明」と絶賛![c]2024映画「陰陽師0」製作委員会


奥州市にある平安時代を題材とするテーマパーク「歴史公園えさし藤原の郷」で撮影を行った本作。大河ドラマの撮影でも使用される場所で撮影した理由について、佐藤監督は「寝殿造という屋敷がある日本で唯一の場所であり、平安時代を舞台に撮影する人たちは絶対に必要な場所」であると説明。また地元であることから実家への帰省や地元の料理を食べれたことが、撮影のモチベーションにもなったと明かし、スタッフからも「ご飯がなにを食べても美味しい!」と大好評であったことを明かした。

こだわり抜かれた美術にも注目
こだわり抜かれた美術にも注目[c]2024映画「陰陽師0」製作委員会

最後に本作の見どころについて問われると、夢枕は晴明のことを博雅が庇うシーンで「グっときました」と語り、原作者も大満足な作品あった様子。佐藤監督は呪術のシーンについてのこだわりを説明し、「私自身も呪術監修をしている加門七海さんもすごい呪術オタクなんです。オタクが作った呪術というのを、ちゃんとオタクの人たちに観てもらいたいですね」と笑顔で語った。

取材・文/編集部

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

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