鬼才ヨン・サンホが日本の名作コミックを実写ドラマ化!まもなくベールを脱ぐ「寄生獣 -ザ・グレイ-」制作発表会見の模様をレポート

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鬼才ヨン・サンホが日本の名作コミックを実写ドラマ化!まもなくベールを脱ぐ「寄生獣 -ザ・グレイ-」制作発表会見の模様をレポート

“ボディースナッチャー”の生々しさを可能にしたVFXとヨン・サンホ監督の熱血アプローチ

「寄生獣」は、日常的な存在が自分が知らない存在になるという根源的な恐怖を描く“ボディースナッチャー”というジャンルに属している。原作では、人の顔が不気味に開いていく描写で表現していた。これをドラマで可能にしたのが、最大の見どころともなるVFX技術だ。

「従来のクリーチャーの描写は私も何度かやっていますが、これまでの表現は形態が一定だったんです。今回は形が変わるんです。実写で俳優の顔からクリーチャーになる過程を自然に表現するのは、VFX的にも難易度の高い作業だったと言えます。まるで我々の日常でも起こりうることだというリアリティのあるデザインに挑戦しなければなりませんでした」と、作品における重要な要素を再現するための努力を明かした。

 【写真を見る】撮影現場について、チョン・ソニやク・ギョファンら俳優陣からは「緊張感がありながらも楽しさを忘れない空間」と称賛が相次いだ
【写真を見る】撮影現場について、チョン・ソニやク・ギョファンら俳優陣からは「緊張感がありながらも楽しさを忘れない空間」と称賛が相次いだ[c]Netflixシリーズ「寄生獣 -ザ・グレイ-」4月5日(金)より独占配信開始/[c]岩明均/講談社

その苦労は、“ハイジ”を演じるチョン・ソニも同様だった。「私にとっても初めての経験でしたので、視覚的にどのように表現されるのか分からない怖さもあったんですが、監督が明確なディレクションとデモンストレーションをしてくださいましたし、やると決めた以上は疑わずにとにかくひたすら演技しようと思ったんです」と、ヨン・サンホ監督に導かれた力演だったことを語る。するとク・ギョファンも「実はヨン・サンホ監督は、『新感染半島 ファイナル・ステージ』の時も私の撮影前に自分が車に乗って運転してくれたんですよ」と貴重な秘話を披露。会見の会場では、迷いなくクリーチャーになりきり大胆な演技指導を行うヨン・サンホ監督の映像が流れたが、まずは自らやってみせる作り手の熱意があってこそ引き出されたチョン・ソニの力演だったようだ。

チョン・ソニは「全く新しいストーリーになっていると同時に、原作を思い浮かべるポイントが隠れているのが本作の強み」と、出来映えに胸を張った。ヨン・サンホ監督のファンはもちろん、原作の愛読者たちにも新たな発見をくれる傑作ドラマの誕生に、期待が高まる。


取材・文/荒井 南


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