夢枕獏と佐藤嗣麻子監督が『陰陽師0』ゆかりの地をめぐる!徽子女王をヒロインにした理由や“泣けるポイント”が明らかに
徽子女王と帝、博雅が三角関係に!?
三重県明和町の109シネマズ明和で行われた特別試写会のトークショーでは、夢枕が本編を観て涙を流していたことが佐藤監督の口から明らかに。
「2か所あるんですけれども、ひとつはちょっとやんちゃで生意気な晴明が、博雅を庇うんです。もうひとつは博雅が自分の脳内に閉じ込められてしまってどうしようもなくなった時に、晴明が『俺を信じろ』っていうところです。あれは“アイラブユー”と同じ意味です。俺たちの間はもうそこまでの仲だろうという意味ですよね」と、原作者自ら晴明と博雅の絆に心打たれた様子。
また、イベントが行われた明和町は劇中に登場する徽子女王のゆかりの地。様々な斎王がいたなかでなぜ徽子女王をヒロインに選んだのかと訊かれた佐藤監督は「歴史上、村上天皇の10人くらいいらっしゃる奥さんのひとりになる方。そして博雅といとこ同士にもあたるので、ここで三角関係が作れるなっていうふうに思ったのが最初です。また、斎宮に行くということは両親から切り離され、捨てられたと思って生きていたということもベースにあります。こうした基礎知識があると、より感動すると思います」と説明。
ツアーキャンペーンを兼ねて様々な博物館やスポットを巡ったという2人。そのなかで徽子女王を感じた場所について訊かれると、夢枕は竹神社の森を挙げ「昔ながらの感じが残っていて、空気感はちょっと一味違ったかなという気がします」とうっとり。「いろんなところに取材に行くのですが、知識は本とか色々なことで手に入るけど、やっぱり現場に行ってその現場の空気を吸うってことが一番書く時にインスパイアされますね」とコメントした。
そして今回、キャンペーンレポートとあわせて解禁された3枚の場面写真には、明和町でのトークで話題にあがった徽子女王が雅に琴のしらべを奏でる姿と、意識を失った徽子女王を抱き寄せる博雅の姿、そして博雅と板垣李光人演じる帝が向き合って座る様子がそれぞれ切り取られている。これまで様々なコンテンツで描かれてきた“陰陽師”の物語に、新たな息吹をもたらす本作。夢枕も絶賛するその出来栄えを、是非とも劇場で目撃してほしい。
文/久保田 和馬
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