染谷将太&佐藤嗣麻子監督、早くも『陰陽師0』続編を希望!佐藤監督は山崎貴監督との“夫婦のルール”も告白|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
染谷将太&佐藤嗣麻子監督、早くも『陰陽師0』続編を希望!佐藤監督は山崎貴監督との“夫婦のルール”も告白

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染谷将太&佐藤嗣麻子監督、早くも『陰陽師0』続編を希望!佐藤監督は山崎貴監督との“夫婦のルール”も告白

映画『陰陽師0』(4月19日公開)の記者会見が4月10日に日本外国特派員協会で行われ、源博雅役の染谷将太、佐藤嗣麻子監督が登壇。早くも続編への意欲と構想を明かした。

原作は、平安時代に実在した“最強の呪術師”安倍晴明の活躍を描き、シリーズ累計発行部数680万部を超える夢枕獏のベストセラーシリーズ。安倍晴明(山崎賢人)が、陰陽師になる前の知られざる学生時代をオリジナルストーリーでつづる。『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』(08)や「アンフェア」シリーズの佐藤嗣麻子が監督・脚本を務めた。安倍晴明が生きた平安時代の世界観を最高峰のVFXや、世界遺産での撮影など圧倒的な規模で作り上げた本作をさらに海外へ向けて発信すべく、この日は日本外国特派員協会での記者会見が行われた。

源博雅役を演じた染谷将太
源博雅役を演じた染谷将太

記者からは平安という時代や呪術の世界について質問が投げかけられ、晴明と最高のバディになっていく博雅を演じた染谷は、「セリフはわりと現代の言葉を使っていますが、世界観は平安時代。バランスと言いますか、その時代のなかだけれど、現代の人が観てもリアルに感じるような感情の説得力を持たせるのが難しかった」と苦労を吐露。「陰陽師は実際にいた」と切りだした佐藤監督は、「陰陽師が実際に使っていたであろう、呪術の知識のある方に監修していただいた。主役の賢人さんはたくさん呪文を言ったり、印を結んだりしなければいけない。その結び方などを指導をしてもらいました」と呪術監修を務めた加門七海の仕事について説明していた。

続編の構想があると明かした佐藤嗣麻子監督
続編の構想があると明かした佐藤嗣麻子監督

「とても美しい映画。平安時代に興味があったけれど、魔法にかかったように見入ってしまった」と鑑賞後の感激を口にした記者からは、「原作シリーズは長く続いている。この映画もシリーズ化するつもりはありますか?次回作が早く観たい」と要望が上がった。佐藤監督は「ありがとうございます。構想はあります」とにっこり。「彼を苦しめようと思っています」と染谷演じる博雅が困難に直面する構想だそうで、「作りたいです。日本の映画業界もヒットしないと次が作れないので、ヒットできるように応援してください」と呼びかけて会場の笑いを誘った。するとすでに「その構想を聞いた」という染谷も、「すごく壮大で、ものすごくおもしろそう。まずはヒットしてほしい。自分も観たいし、演じたい」とやる気を見せていた。

佐藤監督の夫は、映画『ゴジラ-1.0』を手がけた山崎貴監督。「本作について、山崎監督からコメントやアドバイスはありましたか?」との質問が投げかけられる場面もあった。佐藤監督は「家庭内で仲よく暮らすために、私たちは仕事の話を一切しない。お互いの映画も基本的には観ない。観ても、感想を言わないと言う約束があります」と笑顔で夫婦のルールを告白。「ただ今回は『観たい』ということだったので、試写を観せた。帰り道にずっと黙って歩いていた。ものすごくなにか言いたそうにしていて『言わせて、言わせて』とずっと言うから、『ええ…嫌なこと言わないでね』と言ったら『おもしろかった』『すごくよかった、ずるい』と言ってくれました」とルールに背いて感想をもらったところ、大絶賛されたという。これには会場からも大きな拍手が上がっていた。

【写真を見る】日本外国特派員協会記者会見に臨んだ染谷将太と佐藤嗣麻子監督
【写真を見る】日本外国特派員協会記者会見に臨んだ染谷将太と佐藤嗣麻子監督

染谷はこれまで山崎監督の作品にもたびたび出演しており、「今回は奥様の作品に出演をした。山崎監督を裏切った感覚はありますか?」と聞かれると、「逆ですね」と目尻を下げた染谷は「嗣麻子さんとも、いつか作品をやれたらうれしいなと思っていた。夫婦を制覇してうれしいです」と茶目っ気たっぷりに話して記者たちも大爆笑。「自分も、山崎さんから『おもしろかった』とメッセージをもらえてすごくうれしかった」と続けた。佐藤監督は「私も実は、染谷さんの奥さんを制覇しようと思っています」と染谷の妻で俳優の菊地凛子への興味を示し、染谷を笑わせていた。


佐藤嗣麻子監督とのタッグに喜びをにじませた染谷将太
佐藤嗣麻子監督とのタッグに喜びをにじませた染谷将太

「世界に向けてどのように届いてほしいか?」という問いには、染谷が「いまは、自分の目では実際に見えない情報であったり、自分の耳で聞けない、匂いを嗅ぐこともできない。そういう情報であふれていると思っています。ある種、世界中の皆さんが“呪”(しゅ)にかかった状態にあると思います」と現代社会についての印象を語り、「すごくこの映画のなかで好きなセリフがあって。『主観と客観、そんなのはどうでもよくて。いま2人で酒を飲んでいる。それがすべてなんだ』というセリフに、すごく幸せを感じた」と自分の目や心で感じることの大切さを味わってほしいとメッセージ。佐藤監督は「脚本を書き始めたのは、ちょうどヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの大統領選挙のころ。フェイクニュースが流行っていた」と回想。「なにが事実で、なにが事実ではないか、誰もわからなくなってしまっている。それ自体、“呪”(しゅ)にかかっている状態。この映画では“事実を見る”という話をしています。それが“呪”(しゅ)から逃れる唯一の方法。この映画を観て、そのことに気づいてほしい」と力を込めていた。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

取材・文/成田おり枝

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