GWは“金ロー”で猫の国へ!『猫の恩返し』原作は宮崎駿監督からのオファーだった?
今年はジブリパーク全5エリアの開園、『君たちはどう生きるか』(23)のアカデミー賞受賞、舞台「千と千尋の神隠し」のロンドン公演と、スタジオジブリの様々なニュースが舞い込んでいる。そんななか、5月3日(金・祝)にスタジオジブリの『猫の恩返し』(02)が金曜ロードショーで放送されることが明らかになった。
『猫の恩返し』は、『耳をすませば』(95)の原作者でもある、柊あおいのコミック「バロン〜猫の男爵」を原作としたアニメーション作品。『耳をすませば』の主人公、月島雫が描いた物語という発想の作品となっており、猫男爵の人形、バロンや、怪しいブタネコ、ムーンのような猫が登場する。
主人公、17歳の高校生ハル(声:池脇千鶴)はごく普通の女の子。下校の途中でトラックに轢かれそうになった猫を助けたところ、猫が立ち上がり人間の言葉でお礼を伝える。その猫は、“猫の国”のルーン王子(声:山田孝之)で、父の猫王による恩返しが始まることに。ハルのもとには、ネコジャラシやネズミなど、ありがた迷惑な贈りものが届き、挙げ句のはてにはハルを妃に迎えるため、“猫の国”に招待すると言い出す始末。そんななか、ブタネコのムタ(声:渡辺哲)に導かれるようにハルは「猫の事務所」を訪れ、猫の男爵バロン(声:袴田吉彦)と出会う。ハルの相談に乗り、バロンは力になることを約束するが、そこに猫の大群が乱入し、ハルは“猫の国”へ連れ去られてしまうのだった。
なんと、原作の「バロン〜猫の男爵」は、宮崎駿監督からの依頼で柊あおいがストーリーを考え、描き下ろし漫画にしたもの。『耳をすませば』に登場したバロンとムタ(=ムーン)、地球屋を使ってアニメの原作を描いてほしいという依頼だったそうだ。柊は物語を考え始めたとき、バロンとムタが活躍する以上、自分が普段描いている少女漫画ではなく、ファンタジーとして展開させていくことを考えたという。
さらに、番組後半では「ジブリ作品の様々な生きもの」の特集を放送予定。今作で活躍するバロンやムタをはじめ、ジブリ作品には不思議なちからを持つ猫が登場する。『魔女の宅急便』(89)のジジや、『となりのトトロ』(88)のネコバス、さらには猫以外にも、様々な生きものたちが登場。『もののけ姫』(97)のヤックルやヤマイヌ、『ハウルの動く城』(04)のヒンなど、その魅力を特集したものとなる。
特集ではほかにどのようなキャラクターが登場するのだろうか?『猫の恩返し』をぜひこの機会にテレビで楽しんでほしい。
文/鈴木レイヤ
※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記