次世代のスター俳優候補!プレスリーや英国貴族を演じるジェイコブ・エロルディに注目
英国貴族の御曹司役がハマった『Saltburn』
エロルディが演じたのは、主人公オリヴァー(バリー・コーガン)の気持ちを惑わす、オックスフォード大生フェリックス。オリヴァーが大学では場違いの労働者階級出身者であるのに対して、フェリックスはガチの貴族で学校一の人気者。夏休みにフェリックスがオリヴァーを誘って実家の豪邸で過ごすことになったことで、彼らの関係は不穏なものに…。オリヴァーよりも圧倒的に優位なポジション、そして貴族としての育ち、家庭環境など、オリヴァーが望んでも手にできないものばかりを持つフェリックスのキャラクターは、エロルディの芝居と上品なルックスゆえに成立しているのだ。
大スターの素顔を表現しきった『プリシラ』
では、『プリシラ』でのエロルディは?と聞かれると、これまた彼でしか成立しないことをやってのけている。実は同じ役を演じたオースティン・バトラーとエロルディは、エルヴィス本人とはまったく似ていない。が、誰もが知るエルヴィスに見せるためのアプローチをそれぞれ別々の方法でとっている。
バトラーはパフォーマンス時の細かな仕草、振り付けによって、ステージ上のエルヴィスを再現。一方のエロルディは原作本にあるエルヴィス像にプラスして、プリシラ本人からのヒアリングによって、“ステージ以外でのエルヴィス”にアプローチしているのだ。ステージパフォーマンスのシーンがまったくない作品で、周知の大スターの素顔を表現した彼の技量は、本作を観れば一発で理解できるはず。
文/よしひろまさみち
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