令和の新宿に冴羽獠が降臨!鈴木亮平からあふれる『シティーハンター』へのこだわり「新宿はもう一人の主人公として大切な存在」
「日本で実写映画化するとなれば、最大の強みとなるのが『新宿』という街のルックが使えること」
原作コミックス、アニメ版両方の「シティーハンター」に対して強い思い入れを持つ鈴木は、役者として関わるだけでなく、よりファンの想いに根ざした作品にしたいと願い、ストーリーを決定する脚本会議にも参加。設定が現代になるなかで表現などが現代的にアップデートされるという流れに対し、ファン側の視点から「シティーハンター」として外してはいけない要素や表現について意見を述べるという形で関わったそうだ。
「原作コミックスが描かれた時代といまでは、表現が違うところがあるので、実写映画化は完全に原作どおりというわけにはいかないです。当然ながら、いま風の改変はしなければいけない。でも、絶対に愛のある改変にしないといけないという想いがあって、そこは常に意識していましたね。ちゃんと現代の話にしなくてはいけないと思っているので、新宿を描くなら、歌舞伎町の若者をリサーチして、その裏にある社会的なテーマを出そうとか、いまの人たちがSNSを使ってネットを介して情報を発信したり、つながっているような部分はちゃんと描いてほしいというところはありましたし。一方で、会議では僕が原作オタク的な部分を出し過ぎたところもありましたね。原作のイメージにこだわり過ぎて、監督たちから『いや、それじゃあ知らない人がついて来れないです』って言われたことももちろんあります(笑)」。
そして、そうした作り込みのなかで重要になったのが、作品の舞台となる新宿の描き方だ。「シティーハンター」という作品においては、様々な人が行き交う巨大都市であり、東京を代表する繁華街としての表の顔と、歓楽街であり歌舞伎町に代表される犯罪都市としての裏にもなる顔も持つ新宿という街の放つ存在感。「シティーハンター」の作品の空気を作りだしている新宿をきちんと描くために、本作では可能な限り新宿でのロケ撮影にこだわったそうだ。
「『シティーハンター』はいままで、ジャッキー・チェン主演の香港版、ちょっと前に話題となったフランス版、それに韓国のドラマ版とこれまで3作品が実写化されているんです。でも、海外の作品ではなく、日本で実写映画化するとなれば、最大の強みとなるのが『新宿』という街のルックが使えることなんですよね。本物感があるわけですし、日本の作品としてやるならばそこをきちんと使わなければ意味がないだろうということで、相当こだわってロケ撮影をしています。新宿は『シティーハンター』におけるもう一人の主人公として大切な存在ですからね。だから、本編を印象づける冒頭シーンは、ドローンでの新宿の全景から入っているんです」。
「日本の作品だからこそ、新宿をきちんと見せる」。このこだわりから、新宿でのロケに対しては並々ならぬ力が注がれており、なかでも治安面などを含めて、場所柄としてなかなかロケ撮影が難しい歌舞伎町でも、新宿・歌舞伎町の地元商店街、新宿行政関係者、警視庁・新宿署など各関係者から全面協力を得ての大規模なロケ撮影が行われた。
「歌舞伎町でのロケ撮影は、これまでにないレベルで行われ、特に新宿区観光課や商店街の方々の協力がすごくあったそうです。『シティーハンター』の撮影ならしょうがないって言っていただけたようで。そこは作品の力が大きかったと思いますね」。