夏休みにイッキ見推奨!「涙の女王」「寄生獣-ザ・グレイ-」…おすすめ韓国ドラマ5選

コラム

夏休みにイッキ見推奨!「涙の女王」「寄生獣-ザ・グレイ-」…おすすめ韓国ドラマ5選

韓国で視聴率70%超の国民的刑事ドラマの前日譚「捜査班長 1958」

個性溢れる4人の仲間が悪と戦う!
個性溢れる4人の仲間が悪と戦う![c]2024MBC. All Rights reserved.

1971年から1989年まで韓国で放送され、最高視聴率、なんと70%超の国民的刑事ドラマ「捜査班長」の前日譚。主人公・ヨンハンが捜査班長になるまでのエピソードが描かれる。

1958年、ソウルの警察署に田舎からヨンハン(イ・ジェフン)が赴任してくる。彼は“京畿道 牛窃盗犯検挙率、3年連続1位”を誇る勧善懲悪の刑事。赴任初日から暴力団・東大門派の巣窟に単身乗り込み、組の大黒柱を難無く逮捕する大手柄。と思いきや、署長以下ほとんどの刑事が暴力団と癒着し、汚職にまみれた署内で、ヨンハンは赴任早々「厄介者」となってしまった。

だが彼は、そんな腐敗した環境の中でも正義を貫き、「狂犬」と呼ばれる後輩刑事・サンスン(イ・ドンフィ)、怪力を見込んでスカウトしたギョンファン(チェ・ウソン)、エリートの新人刑事・ホジョン(ユン・ヒョンス)とチームを結成。義理人情に厚く、悪いヤツらは誰であろうと許さない彼らが、弱きを助け強きをくじく姿を描く。ディズニープラスで全10話配信中だ。

イ・ジェフンは“京畿道 牛窃盗犯検挙率、3年連続1位”を誇る勧善懲悪の刑事を演じる
イ・ジェフンは“京畿道 牛窃盗犯検挙率、3年連続1位”を誇る勧善懲悪の刑事を演じる[c]2024MBC. All Rights reserved.

衣装、セット、小道具、全てにこだわり抜いて、50~60年代を再現。画面の色味や質感もその当時の作品のようで、一瞬「昔のドラマなのかな?」と錯覚してしまうほど。徹底したこだわりのおかげで、制作費は1話につき約20億ウォン(約2億円)程かかったそうだ。

無骨で熱血漢なヨンハンをはじめ、どのキャラクターもどこか懐かしさを感じさせる。生活苦で犯罪に走った者が出所後に正しく生きられるように手を貸したり、つらい待遇を受けている人々の力になろうとする人情の厚さにも好感が持て、気づけばヨンハンたちを応援しながら観てしまい、全10話があっという間。彼らの活躍をもっと見たいと思わせる。また、ヨンハンの妻・ヘジュ(ソ・ウンス)にも注目。内助の功が素晴らしく、まさに“理想の妻”だ。

そして、所々で本家「捜査班長」でヨンハンを演じたチェ・ブラムが現代のヨンハンとして登場する。自身の若き頃を回想する老いたヨンハンを見ていると、本家のドラマを観ていなくても、時の流れを感じてとてもノスタルジックな気持ちにさせる。

近未来を舞台にしたノンストップサスペンススリラー「支配種」

韓国大統領テロ事件の真実とその背後を追う元軍人のチェウン(チュ・ジフン)
韓国大統領テロ事件の真実とその背後を追う元軍人のチェウン(チュ・ジフン)[c]2024 Disney and its related entities

韓国大統領テロ事件から数年後の2025年、元軍人のチェウン(チュ・ジフン)は、事件の犯人を暴く為に、独自の捜査を続けていた。そんな中、彼は人工培養肉を世界に提供する国際的企業・BF社が事件以降、記録的な利益を上げている事、そしてBF社のCEO・ジャユ(ハン・ヒョジュ)が事件の生存者である事を知る。彼はボディガードとしてジャユに近づいて組織に潜入し、事件の真相に迫ろうとするが、そこで世界を揺るがす秘密を目撃する…。事件の真実とその背後を追う、ノンストップサスペンススリラー。

事件の生存者であるユン・ジャユ(ハン・ヒョジュ)がどこか怪しい…。
事件の生存者であるユン・ジャユ(ハン・ヒョジュ)がどこか怪しい…。[c]2024 Disney and its related entities

チュ・ジフンの188cmの長身から繰り出されるアクションは、思わずため息が漏れてしまうほどのカッコよさ。そして、冷たくて理性的なCEO役のハン・ヒョジュの新たな一面と、時に女性的、時に中性的なキャラクターを表す数々の衣装も見どころ。

また、ストーリーに緊張感を与える首相役のイ・ヒジュンの底知れない存在感、ツンデレな魅力たっぷりの、ジャユを支える彼女の最側近・オンサン役のイ・ムセンなど、脇を固める“演技職人”たちが作品の魅力を倍増させている。

200日後の死を回避できない人々の生活を淡々と描く「終末のフール」

子どもたちを守るために奮闘する中学教師のセギョン(アン・ウンジン)
子どもたちを守るために奮闘する中学教師のセギョン(アン・ウンジン)[c]Netflix

Netflixで全12話配信中の「終末のフール」は、伊坂幸太郎の同名小説が原作。2025年、300日後に小惑星が地球に衝突し、朝鮮半島の周辺が滅亡する事が不可避とのニュースが流れる。韓国内はパニックとなり、富める者たちは生存できる可能性のある外国に移住するが、庶民は国を出る事もできずに、滅亡の日を待つしかなかった。

Xデーまで残り200日となった韓国は、無秩序な世の中になっていた。脱獄した囚人たちは堂々と子どもたちを拉致して人身売買を行い、「衝突はデマだ」とうそぶくエセ宗教も藁をもすがる人々を味方に付け勢力を拡大。その一方で、諦めに近い気持ちで淡々と以前と変わらぬ日常を過ごす者たちも居た。

子どもたちを守ろうと捨て身で孤軍奮闘する中学教師のセギョン(アン・ウンジン)を中心に、様々な立場から終末までの日々を過ごす人々の姿を描く群像劇。最期の日を彼らはどのように迎えるのだろうか…。

パニック作品を想像するが、実に淡々とした人間ドラマというところが注目ポイント
パニック作品を想像するが、実に淡々とした人間ドラマというところが注目ポイント[c]Netflix


本作は、テーマからパニック作品を想像するが、実に淡々とした人間ドラマ。登場人物の多さに加え、回想シーンとして時系列が行ったり来たりする為、“ながら見”はできず、集中が必要だ。2025年という、もう目前に迫った世界が舞台なので、「実際に自分の身に起きたら、どうやって過ごすんだろう…」と、自分と向き合いながら観てほしい。

文/鳥居美保


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