アミのようにバックパックで台湾を巡ってみた『青春18×2 君へと続く道』聖地巡礼【台湾編】
古い街並みでノスタルジックな雰囲気を味わえる「府中街」(台南市・中西区)~「神農街」(台南市・中西区)
アミがバックパックを背負い、地図を見ながら訪れていた台南の観光地「老街(下町)」。「老街」は名前のように、古い通りのことを指しており、古い家と街が残るエリアだ。ノスタルジックな台湾を体験できるため、台湾の若者からも外国人観光客からも注目されている。ちょっと古い家屋が、カフェやショップ、レストランとしてリノベーションされて、街歩きにはおすすめのスポットだ。
アミが訪れた府中街と神農街は、台南の老街のなかでも代表的な場所。府中街は孔子廟のすぐ近くにあり、細い道路の両脇に緑の樹木が美しい。神農街は夜になったら、提灯が灯り、幻想的な世界が広がっていくのが特徴だ。どちらも風情があり、劇中でもアミが「懐かしくて画になる街」と街の美しさに感激していた。
府中街:台南駅から徒歩約20分。
神農街:台南駅からバスで約15分、徒歩約30分、または府中街から徒歩約20分。
アミが台湾の仲間たちに受け入れられた「カラオケ神戸」(雲林県・虎尾鎮)
アミが台南で一番長い時間を過ごしたのは、ジミーと一緒にアルバイトとして働いたカラオケ店。オーナーの親切心から、財布をなくしたアミはその一室を滞在場所としても使わせてもらっていた。実際に撮影に使われた場所は物語の舞台である台南ではなく、雲林県(台湾の中部に位置する県)にある総領KTV(現:甜心時尚會館)だそう。
台湾高速鉄道雲林駅からバスで約20分。
台湾ならではの光景を体験できる朝市「水仙宮市場」(台南市・中西区)
カラオケ神戸でアルバイトを始めたアミは、ジミーやバイト仲間と一緒に朝市に買い出しに。そこは、野菜や海鮮、肉など、様々な食材が並ぶ水仙宮市場。劇中のような活気ある台湾ならではの朝市の光景を見るなら、早めの時間に行くのがおすすめ。早朝からオープンし、お昼や午後の早い時間帯に閉めてしまうお店も多い。
台南駅からバスで約12分。
仲間たちと海遊び…青春らしさ満載の「黄金海岸喜樹」(台南市・南区)
カラオケ神戸の仲間と海へ行き、ジミーたちが思いっきり浅瀬ではしゃいで、アミは少し離れたところで絵を描きながら彼らの様子を眺めている。これも、アミ役の清原が台湾での撮影で印象に残っていると挙げたワンシーンだ。ジミーたちの明るくて楽しい様子を見てから、1人でビーチに座っているアミの姿に少し哀愁を感じてしまう。
ロケ地になったのは台南最南端にある海岸。台南安平区の漁光島から黄金海岸まで、およそ5kmにわたる砂浜が続いている。夕日が浜辺に差し、金色にきらきらと輝く光景を楽しめるため、「黄金海岸」という名前になったとも言われる。
台南駅からバスで約45分。
ジミーとアミが眺めた夜景を楽しめる「大崗山超峰寺」(高雄市・阿蓮区)
ジミーとアミがバイクで向かったジミーのおすすめスポット、夜景が見える展望台。1763年、高雄市(台湾南部に位置する大規模な港湾都市)の大崗山に建てられた超峰寺の敷地は広大で、登山道を歩いたら、街を見渡せる展望台がある。ジミーとアミがここで互いの気持ちを探りながらも、将来の夢について語り合う姿が印象に残っている人も多いはず。
台湾の記者会見で、現地出身の司会者が劇中に登場した絶景のスポットの一つとして挙げて、藤井監督にロケ地について訊ねていた。本作をきっかけに、初めてこの展望台を知ったという台湾の人も多いようで、スタッフたちが念入りにロケハンした、知る人ぞ知るディープなスポットだそう。ちなみに、現在Googleマップでは「ジミー&アミ観景台」としても登録されており、この映画に憧れて大崗山超峰寺を訪ねる観光客が増えそうだ。
台南駅から電車とバスで約1時間40分。
世界一周の旅を夢見るアミが、旅のスタート地で訪ねた台湾。初めて訪れたのに、どこかで懐かしく、温かい人たちに迎えられるところだった。映画を観て、アミのような自分を確かめる旅、ジミーのような青春にサヨナラを告げる旅など、旅の目的は人ぞれぞれ。ロケ地を巡り、“青春”をもう一度を楽しんでみてはいかがだろうか。
取材・文/編集部