ゼンデイヤ、ジェニファー・ロペス…難題ドレスコード“時間の庭”を完璧に解釈した、メットガラで輝いたベストドレッサーたち
ドレスコードをマスター!
コメディドラマシリーズ「一流シェフのファミリーレストラン」での演技が評価され、ファッションイベントにもひっぱりだこのアヨ・エデビリ。これまでのレッドカーペット上でのファッションセンスは、ビギナーズラックでなかったことをメットガラで証明。フローラルで背中が大きく開いたホワイトを基調にしたドレスは、ジョナサン・アンダーソンによるロエベのもの。ホルターネックでバランスよく肌をみせ、手作業でペイントされて刺繍されたレースと、3Dアップリケの花が、彼女のフレッシュさとともに、まさに満開!
●ニッキー・ミナージュ
意外にも(?)ドレスコードを守り、洗練されて可愛らしいルックを披露したのは、ニッキー・ミナージュ。ドレスコードが「The Garden of Time」なだけに、フラワーのモチーフで会場が満たされることは予想通り…だとしても、カラフルでメタルの花がスカルプチャルにあしらわれた、砂時計のシェイプをもつオリジナリティあふれるドレスを着こなした。このドレスは、8年前にクリエイティブ・ディレクターに就任したフランチェスコ・リッソによるマルニのもの。オリジナルは2024年春コレクションで、色合いとシェイプがミナージュのためにカスタムされたそう。ディテールを追求したコーディネートは、ユーモアがあって優雅でよい!
●タイラ
シンガーのタイラは、現バルマンのクリエイティブ・ディレクター、オリヴィエ・ルスタンによる、砂がそのまま肌に吸い付いたような彫刻サンドドレスを着用。同じスタイルのインナーを着てメットガラに参加したルスタンによると、“姿かたちを変えてトランスフォームする有機的な素材を用い、永続的に続く時の中でタイムレスなマスターピースになればという願いを込めて作った”とのこと。このドレスで、メットガラ名物の階段を登るのは一苦労したようだが、サポートが必要な様子や手元に持った砂時計をモチーフにしたアクセサリーもキュートで好感がもてる。
●ジジ・ハディット
ジジ・ハディットは、すべてが手作業で製作されたトム・ブラウンのドレスを着用。70人の手で、計1万3500時間かかったらしい!ヴィンテージのアイテムに焦点をあてるのもドレスコードを守っているが、いつかこのテーマが再び未来に巡ってきたら、美術館に所蔵されるレベルのドレスをいま選ぶというのもスタイリッシュで一興!
ファンタジーの世界観を演出するのはナイス!
この3人に共通するのは、シンガー・ソングライターであるだけでなく、ドレスコード「The Garden of Time」を理解し解釈して、独自のファンタジーさをスタイリングに取り入れたこと。ファンタジーストーリーの登場人物のような、それぞれの個性に合う、デル・レイはアレクサンダー・マックイーン、グランデはロエベ、ジーはマーク・ジェイコブスを身に纏った。
文/八木橋恵