オスカー受賞のA24作品『関心領域』の演出に秘められた意図をネタバレありで徹底解説!グレイザー監督が観客に投げかけた問いとは?
■アカデミー賞受賞会場でのジョナサン・グレイザー監督スピーチ(抜粋)
「私たち作り手の選択はすべて、“いま”を映しだし、対峙するためになされました。『あの時彼らがなにをしたのかを見ろ』と言うためではなく、『いま私たちがなにをしているのかを見ろ』と言うためのものです。
私たちの映画は、人間性の喪失が最悪の結果を生むことを示しています。それは私たちの過去と現在すべてをかたちづくってきました。
私たちは、ユダヤ人であることやホロコーストを奪い取り、罪のない多くの人々を巻き込む紛争、占領の正当化を拒む人間として、ここに立っています。
イスラエルの10月7日の犠牲者であれ、ガザへの進行中の攻撃であれ、この人間の喪失がもたらしたすべての犠牲者に対して、私たちはどのように抵抗するでしょうか。
アレクサンドラ・ビストロン・コロジエイジチェック…この映画で輝いている少女のモデルとなった女性は、そうすることを選びました。私はこの賞を、彼女の記憶と抵抗に捧げます。ありがとうございます」
文/小野寺系
作品情報へ