「2Dと3Dを切り替える表現が気持ちいい」「狂気的なまでの矜持に心打たれた」と感想続々!アニメーション映画として再構築された『トラペジウム』の魅力
乃木坂46の1期生、高山一実による長編小説をアニメーション映画化した『トラペジウム』(公開中)。城州東高校に通う15歳の東ゆう(声:結川あさき)が憧れてきたアイドルになるため、仲間と共に挫折や困難を経験しながら切磋琢磨する青春ストーリーだ。アイドルファンだけでなく、アニメファンからも注目を集める本作には、様々な感想コメントがSNS等に投げかけられている。「映画『トラペジウム』感想投稿キャンペーン」に寄せられたコメントをピックアップしながら、アニメーション映画として好評を博すその理由をひも解いていきたい。
躍動感あるアニメーションに引き込まれる!
アイドルになるためゆうは、ロボット研究会に所属する“西”の大河くるみ(声:羊宮妃那)、お嬢様学校に通う“南”の華鳥蘭子(声:上田麗奈)、ボランティア活動に熱心な“北”の亀井美嘉(声:相川遥花)を仲間にし、ボランティア活動をしたり、有名な観光スポットでアルバイトをしたりしながらその様子をSNSにアップしていく。やがてその活動はテレビ番組にも取り上げられ、「東西南北(仮)」のグループ名でアイドルになる夢に一歩近づくことになる。
4人の和気あいあいとした何気ない日常シーン、歌やダンスのレッスン、本番のステージに立つ姿を映像化したアニメーションは躍動感たっぷり。爽快感があり、映像にどんどん引き込まれるアニメーション表現を称賛する声が数多く確認できる。
「四方から集まった少女たちがアイドルを目指すなかで、思春期ならではの歪で繊細な心が綴られている。方位や光と闇など、様々な対比がすごい」
「ダンスのシーンでタイミングよく2Dと3Dを切り替える表現が、キャラのかわいさやキレ感が出ていて最高に気持ちがよかったです」
「文化祭で撮った写真を全員で見るシーンが好きで、映画だと映像があるのでもっと好きになりました。小説とは違う感動がありました」
「4人それぞれの夢と希望と愛が存分に伝わる作品でした。全員個性のあるキャラで表情も満足の映画でした。アイドルっていいですね!」
「小説が映像化されるとこういう気持ちになるんだなと。映画を観終えた時には、小説を読み終えた時とは違う感動がありました」
「映画を観てから原作を読むと、映像化にあたって多くの工夫が凝らされていることに気付きます。映画と原作の手触りの違いを楽しみつつ、作品の本質について考えさせられる、そんな歯応えのある作品でした」
思春期が抱える不安や悩み、夢と現実との葛藤も丁寧に活写
幼い頃からアイドルに憧れるも、オーディションに落ちる苦い経験をしてきたゆうは、その道の険しさを身をもってよく理解している。周囲が男子ばかりの高専で大好きなロボットとの向き合い方に苦悩するくるみ、自他共に「お蝶夫人」と称する独特なファッションと口調で周囲から浮き気味だった蘭子、暗い過去を抱える美嘉の3人もまた、それぞれが悩みや不安を抱えている。そういった思春期ならではの心情も丁寧に活写していく。
「本当にリアルで、リアルゆえに苦しい場面もありました。だからこそ背中を押される作品だと思います」
「将来、自分の役に立つかもわからないことだけど、全員が一生懸命に目一杯楽しむ姿が眩しくて最高にかっこよかったです」
「どんなに楽しくても続けられない、そんな苦しさを思い起こさせる映画でした。心の深奥を抉りだした美しさがそこにあるのかな、と」
「王道ストーリーなのかなと思っていましたが、斜め上を行かれた感じでした。ゆうのアイドルになりたい強い気持ちが伝わる映画でした」
「最初は青春系のアイドル映画かと思って観に行ったけど、“夢に取り憑かれた少女”だからこそ描ける人間の黒い部分だったり、苦労や焦りをすごくリアルに感じることができてよかったです!」
「主人公がアイドルになるために集めたグループだけど、友情とか絆とかはそれ以上のものでつながっていると感じました」
「最後の最後まで、ヒロインを輝かせない、輝こうとさせないストーリー。まだまだ荒い原作小説を宝石の原石そのままに、映画スタッフが腕によりをかけて磨きに磨きあげた映画です」