いつの時代も正義は少数派だった…?“光”のジェダイと“闇”のシス「スター・ウォーズ」の2大勢力の変遷をたどる
【EP7~9】帝国崩壊後も強大な力を持つ残党が銀河を侵略…光は闇に本当に打ち勝てるのか?
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』(15)
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)』(17)
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』(19)
シークエル・トリロジーは銀河帝国崩壊から約30年後の物語だ。新共和国が樹立し銀河は平和を取り戻したように思えたが、帝国軍の残党を中心に最高指導者スノークが組織したファースト・オーダーが勢力を拡大。そこでレイアは新共和国の支援を得てレジスタンスを組織し、彼らに対抗していた。一方ルークはジェダイ復興を目指しアカデミーを設立したが、レイアとハンの息子、ベン・ソロの心の闇と対峙したのを機に失踪してしまう。祖父ベイダーを信奉するベンはダークサイドに堕ち、カイロ・レンと名乗り、ファースト・オーダーに加わっていた。
そんななか、ファースト・オーダーは惑星を改造したスターキラー基地を建造。強大なビームで星系ごと新共和国の首都惑星ホズニアン・プライムを破壊してしまう。この「ホズニアン事変」で新共和国は終止符が打たれた。旧帝国のテクノロジーを使ったスターキラー基地はデス・スターのアップデート版。強力なビームで星々を木っ端みじんにする様はシリーズ屈指の迫力だった。しかしレジスタンスは、ファースト・オーダーの脱走兵フィンの協力でスターキラー基地の破壊に成功する。このミッションには惑星ジャクー出身の少女レイも参加していた。両親に捨てられ自身の素性も知らずに育った彼女は、しだいにフォースを覚醒していく。
新共和国を倒したファースト・オーダーは力による銀河支配を推進。レイアたちレジスタンスは孤立無援の状況となり、絶対絶命のピンチを迎える。レイアの命を受け、レイは最後の希望ルークを連れ戻すため彼が隠匿している惑星オクトーに向かう。『最後のジェダイ』ではジェダイ・オーダー最後の一人、ルークの帰還が描かれる。ルークと会ったレイは彼のもとで修行を積みフォースに磨きをかけていく。一方カイロ・レンは師というべきスノークを殺害し、ファースト・オーダーの新たな指導者に君臨。レジスタンスをあと一歩まで追い詰めるが、ルークの命懸けの戦いでその根絶は阻止された。絶対的存在であるジェダイやシスなき時代を象徴する波乱のドラマを展開した。
最終作『スカイウォーカーの夜明け』では、ついに旧皇帝パルパティーンが復活。ダークサイドの力でなんとか生き延びていたパルパティーンは、惑星エクセゴルでシスを崇める組織シス・エターナルと帝国再建に着手。30年もの歳月を費やし、大艦隊ファイナル・オーダーを完成させていたのだ。スノークはパルパティーンの操り人形で、カイロ・レンの誘導を含めすべては復権計画の一環だった。さらにレイが実はパルパティーンの孫娘だと判明。孫娘を強いシスにするため、パルパティーンは自分に対するレイの怒りや憎しみをあおっていく。家族の確執を描いてきた本シリーズらしい展開だ。
レジスタンスとファイナル・オーダーの最終決戦「エクセゴルの戦い」さなか、レイはダークサイドから解脱したカイロ・レンと共に祖父に対峙する。パルパティーンの誘惑に屈しなかったルークに教えを受けたレイは、ルークとレイアのライトセーバーで祖父のフォース・ライトニングを打破。長年にわたって暗躍してきた“最後のシス”パルパティーンの死によって銀河に真の平和が訪れた。フォースにバランスをもたらす救世主が、“光に救われた”シスの血筋という「スター・ウォーズ」にふさわしい結末で壮大なサーガはひとまず幕を閉じた。
【「スター・ウォーズ:アコライト」】ジェダイ全盛の時代、密かに闇が誕生する…!?
そして「アコライト」では、『ファントム・メナス』の100年前、栄華を誇っていたジェダイが何者かに殺害される事件が発生。カギを握るのは、元パダワンの女性、メイ(アマンドラ・ステンバーグ)だという。彼女のかつての師であるジェダイ・マスター、ソル(イ・ジョンジェ)は真相を追うが、ジェダイたちの前に強大な闇が立ちふさがる。
予告編では、ナイフを振りかざすメイとジェダイ・マスターのインダーラ(キャリー=アン・モス)の緊迫感あふれるバトルシーンや、ソルを中心とした大勢のジェダイが、口元に特徴のある黒いマスクを被って赤いライトセーバーを手にするシスらしき人物に吹き飛ばされるような描写がある。ジェダイにより平和が守られ、闇の勢力は存在しないとされていた時代に、一体なにが起きたのか?「スター・ウォーズ:アコライト」の配信開始を待ちたい。
文/神武団四郎