あらゆるものから解放された自由な「スター・ウォーズ」!最新ドラマシリーズ「アコライト」前半戦1~4話ネタバレなし感想
いよいよ明日、6月5日(水)より「スター・ウォーズ」(以下SW)の実写ドラマシリーズ最新作「スター・ウォーズ:アコライト」がディズニープラスで独占配信される。ジェダイ黄金期に“闇”が生まれる物語を描いた本作について、MOVIE WALKER PRESSでもコラムやレビューなどで特集予定だ。今回、全8話中の前半部分にあたる1~4話を先行視聴する機会に恵まれたので、ストーリーのネタバレなしで感想をお届けしよう。
まっさらな気持ちで楽しめる、新鮮な「スター・ウォーズ」
まず前提として、「アコライト」の舞台設定は『スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)』(99)の約100年前。ジェダイ全盛期にあたる、いわゆる“ハイ・リパブリック”という時代だ。“レジェンズ”と呼ばれるSWシリーズ拡張世界のスピンオフ作品群やゲームなどでは一部描かれたこともあったが、実写映像でこの時代がしっかりと描かれるのは初めて。実際に本編を視聴すると、この意欲的な設定が実に新鮮だった。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)などのサイドストーリーや、「マンダロリアン」「キャシアン・アンドー」といったドラマシリーズは、カノン(正史)である劇場版の“狭間”を描いてきた。それらはシリーズの“らしさ”を担保する一方で“制約”にもなり得る。物語のピースとしてぴったりはまるものなのか、あのキャラやあの場所は登場するのか…といった事柄は、確かにファンの心をくすぐるが、一方でハードルとなっていたのも事実だ。
その点、本作はさりげない引用や目配せレベルでSWとしての一定のラインを保ちつつ、かなり自由に物語が紡がれていて、話がどう転ぶのか?という点に純粋にワクワクできた。ある種のくびきから解き放たれたようで、これほどのびのびとしたSWドラマはこれまでなかったのではないだろうか。決して誇張ではなく、まったくSWに触れたことのない人も独立した作品として楽しめるはずだ。
ちなみに、『ファントム・メナス』の約100年前という設定と“闇”が芽生えるというストーリーについて。『ファントム・メナス』で、ジェダイ評議員キ=アディ=ムンディの指摘した「シスは1000年前に滅びたはずだ」や、それに同意するメイス・ウィンドゥの「我々に気づかれず復活するなど」といったセリフとの整合性が気になっていたが、4話まで視聴した時点では、うまく矛盾しないようになっていると思われた。