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あらゆるものから解放された自由な「スター・ウォーズ」!最新ドラマシリーズ「アコライト」前半戦1~4話ネタバレなし感想

コラム

あらゆるものから解放された自由な「スター・ウォーズ」!最新ドラマシリーズ「アコライト」前半戦1~4話ネタバレなし感想

あっけにとられる急展開、ジェダイの存在意義、そして家族…

ジェダイ殺人事件のキーマン、メイ役に抜擢されたのは、『ハンガー・ゲーム』などのアマンドラ・ステンバーグ
ジェダイ殺人事件のキーマン、メイ役に抜擢されたのは、『ハンガー・ゲーム』などのアマンドラ・ステンバーグ[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

肝心の物語はというと、第1話のアバンタイトルからいきなり、怒涛の急展開が待っている。「え?どういうこと?」と、あっけにとられているうちに二転三転。謎が謎を呼び、1話あたりの体感時間がかなり短く感じられた。軸となるのは「ジェダイ連続殺人事件」。誰が、なんのために、最強であるはずのジェダイを殺すのか?グイグイと引き込まれる。懐かしい組織名や場所も出てくるものの、基本的には聞いたことのない場所で展開するまったく見たことのない物語であり、プリクエルの流麗さとも、オリジナルの頑健さとも違った、どこか鈍重なスターシップのデザインなども好印象だ。

そして、前半から早くも、ジェダイの存在について考えさせられる場面が。ショーランナーのレスリー・ヘッドランドが「本作では悪者たちが弱者でジェダイが組織側になる」と語るように、ジェダイが何千人もいる時代。あるシーンで、ジェダイの行いは本当にすべて正しいのか?という思いにかられ、ふと『ファントム・メナス』で、ジェダイになるべくタトゥイーンを去るアナキンと別れ際の母シミの悲しい表情がよぎった。

コゴナダ監督作品でおなじみのジョディ・ターナー=スミスが演じるのは謎の力を持つキャラクター
コゴナダ監督作品でおなじみのジョディ・ターナー=スミスが演じるのは謎の力を持つキャラクター[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

さらに、SWシリーズといえば、一貫して“家族”がテーマとして描かれてきたが、それは今回の「アコライト」も変わらないようだ。『アフター・ヤン』(22)のコゴナダ監督がエピソード監督として起用されているのだが、それも納得。小津安二郎監督を信奉する彼がメガホンを執った3話は、紛れもなく家族の物語といえるもの (『アフター・ヤン』に母親役で出演していたジョディ・ターナー=スミスが“母親”として登場するのも印象的) だった。

印象的なキャラクターと、演じるキャストに魅了される

「イカゲーム」でエミー賞に輝いたイ・ジョンジェが、マスター・ソル役で出演
「イカゲーム」でエミー賞に輝いたイ・ジョンジェが、マスター・ソル役で出演[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

そんな本作のキャストの中では、ジェダイ・マスターのソルを演じたイ・ジョンジェが抜群の存在感を発揮している。イ・ジョンジェが「イカゲーム」で演じたソン・ギフンは情けなくもアツい男だったが、ソルは思慮深さを備え、落ち着いた物腰で、優しい笑みをたたえたキャラクター。その佇まいは、まるでクワイ=ガン・ジンや、ベン爺時代のオビ=ワン・ケノービをどことなく想起させ、人気キャラクターとなりそうだ。どうやらソルは“ある過去”の苦悩を抱えているようで、過去に執着しないはずのジェダイ(ちなみにルーカスの手掛けたEP4~6、EP1~3には“回想シーン”が登場しない)としてどうなっていくのかも今後見逃せない。

もちろん、主役を務めるアマンドラ・ステンバーグにも魅せられる。ネタバレ回避のためあまり多くは書けないが、彼女が扮するのは非常に複雑なキャラクターであり、アマンドラはその表現に果敢に挑んでいる。彼女の、時にクールで、時にキュートでもある表情にすっかり虜になってしまうはず。さらに、「マトリックス」シリーズのキャリー=アン・モスも。彼女がジェダイ・マスターのインダーラとして繰り出すアクションの身のこなしは、まさに「マトリックス」(それもトリニティではなくキアヌの演じたネオ)を思い出さずにいられない。

ナイフとライトセーバー、かつてないバトルシーン
ナイフとライトセーバー、かつてないバトルシーン[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

「マトリックス」シリーズでおなじみのキャリー=アン・モスがSWに初参戦!
「マトリックス」シリーズでおなじみのキャリー=アン・モスがSWに初参戦![c] 2024 Lucasfilm Ltd.

今回先行視聴したのは、全8話の折り返しとなる4話までだが、早くも5話の配信が待ち遠しくなる展開になっている。「アコライト」がどんな仕上がりなのか、まずは6月5日配信の初回2話でチェックしてみてほしい。そして繰り返しになるが、SWにまったく触れたことのない人にもぜひオススメしたい。


文/編集部

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