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全面封鎖された都庁前で、渡辺謙が走る!「TOKYO VICE Season2」1990年代の東京を再現した大規模ロケに潜入

インタビュー

全面封鎖された都庁前で、渡辺謙が走る!「TOKYO VICE Season2」1990年代の東京を再現した大規模ロケに潜入

“世界で最も撮影が難しい都市”と言われる東京で、未来へとつながるものづくりが実現

「TOKYO VICE」では東京の街自体が本シリーズの登場人物の一人であり、主役の一人となる
「TOKYO VICE」では東京の街自体が本シリーズの登場人物の一人であり、主役の一人となるPhoto: James Lisle/WOWOW

新聞記者、刑事、ヤクザ、その周囲の人々まで、どのキャラクターも血の通った人物として深く掘り下げ、あらゆる視点から東京アンダーグラウンドにうごめく人間模様を楽しめる本シリーズ。作品に魂を込めるためには、「Season1の撮影に入る前から、これは絶対に東京および、東京の周辺で撮らなければいけない作品だと思っていました。東京の街自体が本シリーズの登場人物の一人であり、主役の一人だと思っています」とエグゼクティブ・プロデューサーのプールは話す。

「たくさんの方にSeason1を愛してもらった」と感謝を語ったショーランナーのJ・T・ロジャース
「たくさんの方にSeason1を愛してもらった」と感謝を語ったショーランナーのJ・T・ロジャース

しかし東京は、“世界で最も撮影が難しい都市”と言われており、オールロケが実現するまでには苦労も多かったという。「僕はこれまでロンドンやパリ、トロント、ニューヨークなどあらゆる街で撮影をしたことがありますが、やはりそのなかでも東京は一番撮影が難しい場所だと思います」と口火を切り、「東京は、住んでいる人の権利をとても大切にする街です。例えば商店街で撮影をするとなると、すべてのお店の家主に許可をもらわなければ撮影をすることはできません。そうなるとどうしても撮影の許可を取り、準備をするまでに時間がかかります」と証言。そんななかSeason1が好評を得たことで、撮影がスムーズに進むこともあったそう。ショーランナーのJ・T・ロジャースは「たくさんの方にSeason1を愛してもらい、認識していただけたことで、Season2ではいろいろな協力を得ることができました。これからも海外のプロダクションが、東京で撮影できるような道筋を作れたらいいなと思っています」と本シリーズは、大きな一歩になったはずだと力強く語る。

日米のスタッフが集結し、英語と日本語が飛び交う撮影現場
日米のスタッフが集結し、英語と日本語が飛び交う撮影現場Photo: James Lisle/WOWOW

撮影現場では、日米のスタッフが交流をしながら仕事に取り組み、英語と日本語が飛び交うなど熱気にあふれていた。エグゼクティブ・プロデューサーのプールは「日本のスタッフがたくさん参加してくれました。全員で『日本の観客から観ても、違和感のない日本を描こう』と頑張っています」とキッパリ。エグゼクティブ・プロデューサーのボーデンは「作品をつくるためには、能力のある大勢の人たちがワンチームとなって取り組むことが必要になります。キャスト、スタッフも含め、今回はSeason1から継続して参加している方をはじめとする、経験豊富な人たちが集まってくれました。この作品に参加したことを誇りに思い、それを今後の作品づくりにつなげていきたい」。ロケーションスーパーバイザーの相川も「本シリーズによって刺激をもらって、海外作品や合作を積極的にやっていきたいというスタッフも増えてきている」と話すなど、スタッフやキャストもお互いにいい刺激を受け取っている様子だ。

ストーリーもますます深化!個性豊かなキャラクターが入り乱れ、怒涛の最終回へと突き進んだ
ストーリーもますます深化!個性豊かなキャラクターが入り乱れ、怒涛の最終回へと突き進んだPhoto: James Lisle/WOWOW

明け方から準備が始まった都庁通り封鎖のシーンは、日が暮れるまで撮影が続いていたが、実際の放送時間はわずか1分ほどのシーンだ。そうやって誰もが妥協せずに全力を注いだ瞬間の積み重ねが、本シリーズの衝撃的なおもしろさにつながっている。「本日の撮影、終了です!」との声が響くと、スタッフ陣が晴れやかな笑顔でサムズアップを送り合うなどその場には充実感が漂っていた。ぜひ1990年代の東京の魅力を味わいながら、日米のすばらしいタッグを堪能してほしい。


取材・文/成田おり枝


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