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【ネタバレレビュー】東京をエグりまくる“●”、ナン丸に訪れる最大の試練!クライマックスへ一直線の「七夕の国」6&7話

コラム

【ネタバレレビュー】東京をエグりまくる“●”、ナン丸に訪れる最大の試練!クライマックスへ一直線の「七夕の国」6&7話

数々の漫画賞に輝いた「寄生獣」や「ヒストリエ」など次々に話題作を生みだしている岩明均の同名コミックを実写ドラマ化した「七夕の国」。ディズニープラス「スター」で独占配信中の本作は、しきたりに縛られた閉鎖的な町を舞台に、特殊な能力を持つ人々が運命に導かれるように交差していくミステリー。どんなものにも小さな穴をあけられる、あまり役に立たない超能力を持つ大学生・ナン丸が、先祖が暮らしていたという田舎町・丸神の里で思いがけない事件に巻き込まれていく。主人公ナン丸こと南丸洋二を演じるのは、映画やドラマで数々の主演作を持つ細田佳央太藤野涼子上杉柊平山田孝之ほか演技派、実力派が集結し、濃厚な人間模様を展開する。

MOVIE WALKER PRESSでは、そんな「七夕の国」の全話レビューをお届け。本稿では、第5話までで役者がでそろい、いよいよ後半戦に突入した第6話、第7話をライターの神武団四郎がレビューする。

※本記事は、ネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)を含みます。未見の方はご注意ください。

若き頼之、東丸兄妹になにがあったのか?一族の過去が明かされる

次期当主になる高志に対し、厳しく当たっていた父
次期当主になる高志に対し、厳しく当たっていた父[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

全10話で構成される本作の第6話で描かれるのは、幸子(藤野)や高志(上杉)が幼少時代の物語。これまで点として描かれてきた人々が、ひとつの線で結ばれていく。幸子の母、東丸由紀子(朝比奈彩)は、息子、高志の“手がとどく者”の能力を開花させるため、本家である丸神家の頼之(山田)のもとで修業をさせることにした。ところが、かつて由紀子が頼之を慕っていたことを知る夫は嫉妬心から高志につらく当たるようになっていく。父(忍成修吾)から貶され続けた高志はストレスから“●(まる)”で幸子を虐待しはじめ、父に瀕死の重傷を負わせたのを機に里を追われてしまった。すべての責任を感じた由紀子は自ら命を絶ち、その直後に神官だった頼之も里から姿を消した。

枝葉のエピソードやキャラクターを整理しながら、完コピと呼びたくなるほど原作を尊重して展開してきた本作だが、由紀子は原作にはないドラマのオリジナルキャラクター。彼女によって幸子、高志、頼之らの立ち位置や、丸神の里のしきたりが人々になにを強いてきたのか、それぞれのキャラクターの悲哀がわかりやすく解説されている。謎めいた人物相関の伏線回収に加え、祖母が幸子に台所で甘酒をふるまうやり取りなど、さりげない出来事がすべてつながっていることも明かされた。

第6話では、幸子が東丸家の過去を語る
第6話では、幸子が東丸家の過去を語る[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

さらに回想シーンには、幸子が「普通の人っぽかった時」と形容した若き日の頼之が登場!特殊メイクで後の片りんをにじませながら、山田孝之がほぼ素顔で頼之を演じている。穏やかで面倒見がいい青年時代の姿が、感情を見せず殺人マシンとして暗躍する頼之が抱える心の闇深さを示唆。現代パートで、再会した高志から殺し屋をしている理由を問われた時に「人の心に土足で踏み込んだ挙句、今度は知らん顔」をしている者への復讐のようなものだと明かしたが、彼が自分の力を使った凶行を見せつけたい相手が誰なのか、新たな謎が生みだされた。

丸神教授から届いた手紙に、不審な点があることに気づいた江見
丸神教授から届いた手紙に、不審な点があることに気づいた江見[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

だが、ひとつ明らかになったことも。いまだ姿を現さない丸神教授(三上博史)から届いた手紙に隠されたヒントを読み解き、江見ら丸神ゼミのメンバーは、丸神の里で行われている「七夕祭り」の開催日程がどのように決まっているのか。その理由に気づくことができた。それでも「祭り」にまつわる謎は残っており、今後里に隠された秘密がどのように明かされていくのか、謎解き展開にも期待が高まるところだ。


頼之の指導のもと、“手がとどく者”としての能力を開花させた高志は彼を崇拝するようになる
頼之の指導のもと、“手がとどく者”としての能力を開花させた高志は彼を崇拝するようになる[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

好奇心旺盛なナン丸の後輩、亜紀(鳴海唯)をめぐる物語も動きだす。超能力の秘密を追って高志のセミナーでバイトをしていた彼女は、事情聴取を受けたのを機に知り合った気弱な刑事、佐藤(石田法嗣)を引きずり込んで頼之たちを追跡する。ジャーナリスト志望で、成果に飢える彼女の無謀さがサスペンスを盛り上げていく。そんな亜紀を演じているのは「どうする家康」で注目された鳴海唯で、生意気で危なげだけど憎めないキャラクターに仕立てている。佐藤は第3話で“●”による国会議員暗殺の現場にいた警備担当者。これまで意味ありげに要所で顔を出していたが、ここから彼もストーリーに絡んでいく。頼之を追っていた2人は、彼をリクルートした武器商人、増元(深水元基)に見つかってしまい囚われの身に。その安否の行方は第7話へ持ち越されることになる。

壮大な“謎”に引きずり込まれる「七夕の国」特集【PR】
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