江口のりこら主演『お母さんが一緒』で「山田洋次監督が絶賛した」と橋口亮輔監督が大喜び
7月12日、映画『お母さんが一緒』初日舞台挨拶が丸の内ピカデリーにて開催され、江口のりこ、内田慈、古川琴音、青山フォール勝ち(ネルソンズ)、橋口亮輔監督が登壇。浴衣姿で舞台挨拶を行った。
ペヤンヌマキが主宰する演劇ユニット「ブス会」で発表された同名舞台をオリジナルとする本作は、家族という一番身近な他人だからこそ湧いて出てくる不満やいら立ちをユーモラスに描いたホームドラマ。親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹が、あるきっかけでお互いを罵倒する修羅場へと発展。そこに三女がサプライズで用意していた恋人が現れ、物語は思わぬ方向へと向かう。
美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持つ長女は、映画やドラマなど多方面で活躍する実力派・江口のりこが演じ、優等生の長女と比べられてきたことを心の底で恨んでいる次女は、「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(CX)、「9ボーダー」(TBS)など、話題作への出演が続いている個性派・内田慈が扮する。そして、そんな2人を冷めた目で観察する三女を、映画『言えない秘密』が公開中、また黒沢清監督作『Cloud クラウド』(9月27日公開) が控える、今最も注目される若手俳優のひとり、古川琴音が演じている。
ステージで橋口監督は、「今回はですね、なんと奥さん。山田洋次監督が絶賛ですよ(笑)」と大喜び。続けて、「前作の『恋人たち』はですね、山田監督、ガン無視だったんですね。それで『え?なんで?そんなにひどい?だって映画賞総なめしましたよ?』って思ったんですけど。山田さん、なにか気に食わなかったんでしょうね。気に障ったんだと思います。で、ガン無視されたんですけど、今回は『やっと橋口監督の作品が戻ってきた』ということで気に入っていただいたみたいで(笑)。皆さんにも本当に気に入っていただける作品になっていると思いますので、最後まで安心してシートに座っていただいて。笑ったり泣いたりしながらご覧いただける作品になっていると思います!」とアピールした。
また、「本当にこの4人とお仕事できてよかったです。本当に忙しい4人ですので、まさかと思ったら、江口さんが決まり、古川さんが決まり、内田さんが決まり…で、最後はネルソンズ(お笑いトリオ「ネルソンズ」の青山フォール勝ち)。『(忙しくて)ダメだろ~、ネルソンズ』と思っていたら決まって。それでこっち側も、エンジンがかかったっていう感じがありました」と振り返り、「すごく充実した撮影ができて、いろんなことを考える時間になりましたね。映画ってなんだろうかとか、 演出ってなんだろうとか、物語ってなんだろうとか。いろんなことを考えながら撮影できた作品になりました」と、本作を撮影した感想を語っていた。
ちなみに、本イベントの翌日7月13日に誕生日を迎える橋口監督に対し、劇中のワンシーンに絡めて“秘密のサプライズ”を行ったキャスト陣。内田はDREAMS COME TRUEの「HAPPY HAPPY BIRTHDAY」の歌唱を、古川は“雨が上がった後の森の中”をイメージして調合されたという香りの石鹸を、江口は手紙をプレゼント。橋口監督は「なんかするんじゃないかなと思っていたんですけど。僕、宣伝部に『明日誕生日です、みたいなことやんないでね。絶対しないでね』って念を押そうと思っていたのに…」と、恐縮しきりだった。
取材・文/平井あゆみ