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【ネタバレレビュー】“光”と“闇”の表裏を真っ向から描いた「スター・ウォーズ:アコライト」最終話、シリーズを揺るがすフィナーレへ

コラム

【ネタバレレビュー】“光”と“闇”の表裏を真っ向から描いた「スター・ウォーズ:アコライト」最終話、シリーズを揺るがすフィナーレへ

ここに来てヴァーネストラ・ロウがダークホースに?

かつてジェダイだったことを明かしていたカイミール
かつてジェダイだったことを明かしていたカイミール[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

さて、そんな凄まじいことになっているブレンドクにやってくるのは、これまでコルサントにいることの多かったジェダイ・マスターのヴァーネストラ・ロウ(レベッカ・ヘンダーソン)とその一行。彼女は星に降りるやいなやカイミールの存在を感知し「お前、生きていたか」と呟く。カイミールはロウのパダワンだったのだ!だからソルに「俺を覚えてないのか」と訊いたのかもしれない。

メイとオーシャ、そしてカイミールはブレンドクを離れることにするが、カイミールはジェダイの追跡を逃れるため、メイの記憶を消して星に残し、姉の解放を条件に訓練することを選んだオーシャをアコライトとして迎え入れる。第1話と真逆の状況になったのだ。が、驚くべきはこのあとのロウの選択のほうだろう。8歳の時の記憶しかないメイをコルサントに連れて来て、こういうのだ。「あなたの母親を殺したのはジェダイだった。心優しく、聡明で思いやりのある人。でも、罪を犯した。その過ちに苛まれ、心が歪んでしまった」。

【写真を見る】元ジェダイだったカイミールのマスターは…ヴァーネストラ・ロウだった!
【写真を見る】元ジェダイだったカイミールのマスターは…ヴァーネストラ・ロウだった![c] 2024 Lucasfilm Ltd.

そしてまた、ロウは最高評議会の席でもブレンドクの事件をこう報告する。「16年前、4人のジェダイが惑星ブレンドクに駐留し、魔女のフォース・カルトを発見。争いが起こり、大勢が犠牲に。4人は共謀し、その行為を隠した。最近、その真実が露見しかけ、汚れたジェダイのソルが共犯者を殺し保身を図った。ソルの行為を糾弾する」。

さらに、外部調査を開始するという意見に対して「これはひとりの堕落した男が起こした悲劇。彼は罪を犯したブレンドクで死んでいた。おそらく自殺かと」。

「オーシャを守りたい」という一心で生きてきたソル。すべての罪を背負わされることに
「オーシャを守りたい」という一心で生きてきたソル。すべての罪を背負わされることに[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

いや、もう観ているほうは、あの善良の塊のようなソル、犯した罪のせいで苦しみまくっていた彼をここまで貶めるのかと悲しくなるほど。しかも、それをソルがもっとも信頼していただろうジェダイが口にするのだからいたたまれない。もちろん、ジェダイの名誉と権威を守るために敢えて行った改ざんであり、横たわるソルの遺体に「許してくれ」とも言っている。が、それでも、ソルのこの扱いには胸が痛くなってしまうではないか!

ラストシーンにはファンの見慣れた後ろ姿が…

多くのファンがここで失意を抱えるわけだが、ドラマはそこで終わってはいない。決意を新たにしたカイミールとオーシャを映したあと、ロウは「失礼しますマスター。ご相談が」と言ってある部屋に入るのだが、そこにいたのはなんとヨーダ!お馴染みの、あのヨーダの後ろ姿が映しだされる!考えてみれば『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』(83)で亡くなった時は900歳くらいだったわけだから、この時代に生きているのは当然と言えば当然、『ファントム・メナス』よりも100年前のせいか、白髪の量も多めになっているのもポイントだ。

さらに、本作が物事の二面性を描いていることを考えれば、洞窟の謎の男が最強のシス、ダース・プレイガスなら、最強のジェダイ・マスター、ヨーダが登場するのも納得がいく。しかし、ここでもっとも重要なのはヨーダが私たちに“希望”を与えてくれるということ。この悲劇的な状況で懐かしいヨーダの姿を目にして、ファンはやっと笑みをこぼす。「スター・ウォーズ」ギャラクシーを支え続けて来たヨーダには、そんな“フォース”があるからだ。


ようやく和解したオーシャとメイだが、悲しい別れが訪れる…果たして再会できるのか?
ようやく和解したオーシャとメイだが、悲しい別れが訪れる…果たして再会できるのか?[c] 2024 Lucasfilm Ltd.

それにしても、失意と希望、最後にこの2つの相反する感情を視聴者に抱かせるとは!次が気になって仕方ないではないか…。ショーランナーのレスリー・ヘッドランドは「シーズン3まで続けたい」と発言しているというが、果たして⁉

文/渡辺麻紀

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