夏といえばジブリ!8月の「金ロー」に『となりのトトロ』&『天空の城ラピュタ』が登場|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
夏といえばジブリ!8月の「金ロー」に『となりのトトロ』&『天空の城ラピュタ』が登場

映画ニュース

夏といえばジブリ!8月の「金ロー」に『となりのトトロ』&『天空の城ラピュタ』が登場

2024年夏の金曜ロードショーでスタジオジブリ作品が2週連続で放送されることが決定。8月23日(金)は『となりのトトロ』(88)、8月30日(金)には『天空の城ラピュタ』(86)がそれぞれノーカットで登場する。

サツキとメイが不思議な生き物トトロに出会う(『となりのトトロ』)
サツキとメイが不思議な生き物トトロに出会う(『となりのトトロ』)[c] 1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

昭和30年代初めのまだテレビが普及する前の時代が舞台の『となりのトトロ』。郊外へ引っ越してきた草壁一家のサツキ(声:日高のり子)とメイ(声:坂本千夏)と、不思議な生き物トトロとの交流を描く。

『となりのトトロ』といえば、生き生きとした日本の自然の風景の美しさが楽しめる作品。夏の日差しに照らされた木々や、茂みの暗がり、雑草などがリアルに描かれている。美術を担当した男鹿和雄によると、緑と茶色に秘訣があるという。自然の草をよく観察してみると、緑の中に茶色が多くあるそうで、自然の草むらや森を描く時には緑だけで描くよりも、枯れた茶色を入れると、グリーンがきれいに見えるそうだ。

この作品で特に使用されたのはセピアとクロームグリーン。この2色は草むらを描く時だけでなく、建物にも混ぜて作られているそう。この色を使うことで、屋外から屋内にシーンが切り替わった時にも、大きく印象が変わることが無く、同じ世界にいるという感じを持つことができるようだ。さらに、通常キャラクターなどの輪郭には「黒」が使われるそうなのだが、今作では「茶色」が使われているという。グリーンが多く使われた背景と重ねた際には、黒い輪郭よりも茶色い輪郭の方がソフトに映り、マッチするのがその理由だ(ただし、すべてが茶色では無くシーンによっては黒も使用しているとのこと)。

美しい日本の原風景に注目(『となりのトトロ』)
美しい日本の原風景に注目(『となりのトトロ』)[c] 1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

続く、『天空の城ラピュタ』のカギとなるのは、空に浮かぶ伝説の宝島ラピュタ。冒険家だった亡き父の意思を継ぎ、ラピュタに憧れる少年パズー(声:田中真弓)と、空から舞い降りたラピュタ王家の血を引く少女シータ(声:よこざわけい子)。さらに、肝っ玉母さんのドーラ(声:初井言榮)が率いる空中海賊、ラピュタのテクノロジー秘めたる力を狙う悪役ムスカ(声:寺田農)など、多彩なキャラクターが入り乱れる冒険活劇となっている。

空に浮かぶ伝説の宝島ラピュタを巡る少年パズーと少女シータの冒険(『天空の城ラピュタ』)
空に浮かぶ伝説の宝島ラピュタを巡る少年パズーと少女シータの冒険(『天空の城ラピュタ』)[c] 1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

個性豊かなキャラクターがたくさん登場するなかでも、ひときわ目立つのが、空中海賊を率いる女ボスのドーラ。海賊でもあり母でもあるドーラのモデルは、なんと宮崎駿監督のお母さんだそう。精神的迫力はドーラに通じるものがあり、「男ばかりの兄弟4人そろってもおふくろに太刀打ちできなかった」と宮崎監督は語っている。

【写真を見る】『天空の城ラピュタ』に登場する空中海賊の女ボス、ドーラは宮崎駿監督のお母さんがモデルになっている
【写真を見る】『天空の城ラピュタ』に登場する空中海賊の女ボス、ドーラは宮崎駿監督のお母さんがモデルになっている[c] 1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

また、主人公であるパズーとシータの名前の由来にも面白いエピソードが。元々、企画段階でのタイトル案は「少年パズー・飛行石の謎」だったのだが、パズーという名前は宮崎監督が学生時代に考えた船乗りの名前で、ヒロインのシータは数学でならったθ(シータ)記号から着想を得たものだそうだ。

2022年11月からは愛知県の愛・地球博記念公園内にスタジオジブリ作品の世界を表現した公園施設「ジブリパーク」が開園。現在、そんなジブリパーク誕生の舞台裏を紹介する展覧会が開催中で、東京展は9月23日(月)まで行われている。長きにわたって愛され続けているジブリの名作を今年の夏も堪能してほしい。


文/平尾嘉浩

※宮崎駿の「崎」は「たつさき」、日高のり子の「高」は「はしごだか」が正式表記