「頼之と山田孝之がシンクロ…!」「七夕の国」キャスト&監督がいまだから明かせるキャラクター作りの裏側
「あとからその経緯がわかると、高志のことがちょっと好きになるんです」(瀧)
――ナン丸と幸子のシーンで印象に残っているエピソードは?七夕祭りに一緒に出かけて話をしたり、惹かれあうような存在だったけども…。
藤野「意外かもしれないですけど、私は大学のシーンが印象に残っています(笑)。新技能開拓研究会や丸神ゼミのメンバーと一緒にいるところで、ナン丸さんのキャラが浮き出てくるし、私が撮影に遅れて参加した時には完全に雰囲気が出来上がっていて。大学の別のゼミ室に間違えて入っちゃったのかな?って一瞬思ったぐらい、みなさん和気あいあいとしていたんですよね」
細田「でも、実はクランクインした日の新技能開拓研究会のシーンでは、僕、ほかの共演者さんとほとんど喋ってなくて」
藤野「えっ、そうなんですか?」
瀧「みんな、お互いを探るように、ちょっとふわふわしていたね」
細田「覚えています。最初の段取りが終わった後に『クランクインって感じの緊張感ですね』みたいな話もさせていただきました(笑)。(丸神ゼミの講師・江見小百合を演じた)木竜(麻生)さんがはっちゃけ始めた途端、みんなの距離がグッと縮まって。一番はしゃいでいた江見先生のおかげで打ち解けられたし、あの空気ができあがりました(笑)」
――高志が大学でナン丸に特殊な能力の使い方を伝授するシーンの撮影はいかがでした?
瀧「第3話ですね。あそこ、みんな理解しているかわからないけれど、高志は実は、(人知を超えた力で恐ろしい計画を実行に移そうとする)(丸神)頼之(山田孝之)さんに教わったことをそのままナン丸に伝授しているだけなんですよ」
上杉「後半に頼之さんバージョンも出てきますよね」
細田「『小指の外側…親指の対象位置にもう1本親指があるようにイメージしてごらん』っていう、同じセリフですよね」
瀧「だから、わりと長い(事前の)振りなんです」
上杉「3話跨ぎ、4話跨ぎぐらいの…」
細田「伏線になっている」
上杉「第3話では、高志がそれを思いだしている間も撮りましたね」
瀧「上杉くんにはその撮影の前に、『頼之から教わったことを忠実に教えているんだよ』っていう話もしたような気がします」
上杉「うかがいました。でも、このシリーズを順番に観ていく視聴者の方々は、高志が第3話でナン丸に話すあのセリフの意味がわからない」
藤野「そうですね」
瀧「でも、あとからその経緯がわかると、高志のことがちょっと好きになるんです」