「号泣してしまった」13人完全体での鬼気迫るステージ『SEVENTEEN TOUR ‘FOLLOW' AGAIN TO CINEMAS』をCARATライターがレビュー!
スタイル異なる最新曲を一気に堪能!全世界で初披露されたステージに夢中
そして特筆すべきなのは、ユニットステージで各ユニットの最新曲を初パフォーマンスしたこと。今年3月の韓国・仁川公演、そして5月に開催された日本スタジアムツアーでは披露しなかったため、「‘FOLLOW’ AGAIN」ツアーでは唯一、ソウル公演だけで披露した貴重なパフォーマンスだ。この日のユニットステージはすでに公式YouTubeにアップされているのだが、本作ではまた違ったアングルで堪能することができる。
HIPHOP TEAM(S.COUPS、WONWOO(ウォヌ)、MINGYU(ミンギュ)、VERNON(バーノン))は「LALALI」を披露。「SVTは止められない」「できるなら俺らみたいにやってみな」と強気でゴリゴリのラップを、軽快なサウンドにのせてかます4人に魅了された。なによりパフォーマンス中の彼らのエネルギーが爆発していて、見ているこちらまで圧倒される。スクリーン越しでもこんなに伝わってくるのだから、ライブ会場にいたCARATは相当盛り上がったはず。激しいラップを難なくこなし、自分の魅せ方をわかっているS.COUPS、常にクールだが時折見せる笑顔でCARATを沼に落としまくるWONWOO、歓声があればあるほど燃えたぎり、熱い投げキスをかますMINGYU、圧倒的ビジュアルと高いラップスキルで魅了したVERNON。それぞれが個々の魅力をこれでもかと見せつけてくれた。
PERFORMANCE TEAM(HOSHI(ホシ)、JUN(ジュン)、THE 8(ディエイト)、DINO(ディノ))の「Spell」は、幻想的なシンセサウンドと彼らの繊細なボーカルがマッチした楽曲。「ここはオーシャンビュー」という歌いだしのように、海の中を漂っているような心地良さが癖になる一曲である。パフォーマンス面でグループを引っ張り続けているHOSHI。彼に踊れない楽曲はないのではないか。艷やかで繊細なダンスでステージを掌握するTHE 8、透き通るような美声となめらかなダンスで魅了するJUN、どんな楽曲もモノにし、パワフルに踊るDINO。細部まで作り込まれた色気漂うダンスパフォーマンスは、とてもドラマティックだった。
VOCAL TEAM(WOOZI(ウジ)、JEONGHAN(ジョンハン)、JOSHUA(ジョシュア)、DK、SEUNGKWAN)が披露した「Cheers to youth」はキャッチーなメロディがエモく、まさに“ボカチ”の柔らかくて優しい雰囲気にピッタリな一曲。HOSHIがメンバーたちに失言を指摘され、「ごめん。今日を生きるのは初めてだから…」と謝ったことから、天才プロデューサー・WOOZIがインスピレーションを受けて作った曲だ。歌声に感情をのせ、涙ぐみながら歌っていたSEUNGKWAN、唯一無二の伸びやかな美声を響かせたWOOZI、時折目をつむりながら優しい表情で歌うJEONGHAN、甘く色気のある歌声で魅了するJOSHUA、まるで太陽のような笑顔と圧倒的声量でCARATを熱狂させるDK。「自分のことが嫌になっても気にせずにいよう」という前向きな歌詞と5人のボーカルに元気をもらえた。
また、4月29日に発売されたベストアルバム「17 IS RIGHT HERE」のタイトル曲「MAESTRO」も、このソウル公演で初披露だった(その後、日本公演でも披露した)。「夢中にならなきゃトップになれない 世の中を変える僕らなんだから」と、凄まじい気迫と覚悟を持って歌い上げる13人を見て、「やっぱりセブチってすごすぎる!」と改めて実感した。そして恐らく、本作で流れるパフォーマンス映像はいままで見たことのないアングルでの映像だったので、新鮮に楽しむことができた。そして何度見ても「MAESTRO」のダンスブレイクは圧巻だ。ライブ終盤にも関わらず、ここまで激しいダンスを誰一人乱れぬことなく披露できる彼らこそが「真のマエストロ」だと思わざるを得ない。