山田尚子監督最新作『きみの色』はIMAX推し!まばゆいほど美しい青春の“色と音”を全身で浴びる

コラム

山田尚子監督最新作『きみの色』はIMAX推し!まばゆいほど美しい青春の“色と音”を全身で浴びる

目の前に広がる圧倒的な“色”の世界で、特別な映画体験を

街並みや海の風景、色とりどりの花々など彼らの住む世界が、うっとりするほど美しい色で描かれている
街並みや海の風景、色とりどりの花々など彼らの住む世界が、うっとりするほど美しい色で描かれている[c]2024「きみの色」製作委員会

思春期をひたむきに歩む若者たちを主人公とした本作は、彼らの生きる世界が美しい色彩によって描かれている。赤、青、白、黄など色とりどりの花々、日が差して光る波、キラキラと瞬く夜景もカラフルで美しく、冒頭からいっきにその世界へと誘われる。トツ子ときみがお泊まりをする学校の寮、彼らが出会う古書店、バンド練習を重ねる古教会など、3人にとって大切なものとなる場所も、床のきしみや香りまで漂ってくるような丁寧な描写で描かれており、惚れ惚れとするほど美麗だ。

鮮やかな色彩に目を奪われる
鮮やかな色彩に目を奪われる[c]2024「きみの色」製作委員会

人が“色”で見えるけれど、自分の色はわからないトツ子。勝手に退学したことを、家族に打ち明けられないきみ。母親からの将来の期待に反して、隠れて音楽活動をしているルイ。それぞれに葛藤を抱えている3人だが、次第に悩みを話せるような関係となり、それを分かち合っていく展開が胸に迫る。3人が暗い部屋に赤いロウソクを灯しながら、自身の想いを告白するシーンも美しい。黒色も鮮やかに映しだし、深みあるコントラストを実現するIMAXならば、よりドラマチックなものとして3人の友情が染み渡るだけでなく、その空間に飛び込んで一緒に特別な時間を共有しているような臨場感を得られるだろう。


【写真を見る】人が“色”で見える高校生のトツ子役は、1600人に及ぶオーディションから選ばれた鈴川紗由が演じる
【写真を見る】人が“色”で見える高校生のトツ子役は、1600人に及ぶオーディションから選ばれた鈴川紗由が演じる[c]2024「きみの色」製作委員会

また人が“色”で見えるトツ子の目に映る景色は、「彼女には人や世界がこう見えているのか!」とハッとさせられるようなシーンの連続だ。トツ子にはきみが青色、ルイが緑色を放っているように見えており、3人が心を通わせていく様子を色が混ざり合うことで映しだすなど、観客は新鮮な視覚表現を目にできる。“色”に並々ならぬこだわりを込めて制作された本作は、幅広いカラーパレットを有するIMAXこそ、真価を発揮する作品と言えるかもしれない。恋にときめいている人を見たトツ子が、そのドキドキをあふれだす“色”として感じる場面も圧巻!アニメーションでしか到達できない表現に挑んだ数々のシーンを、圧倒的に明るい映像を実現し、壁一面に広がるIMAXの大画面でぜひ楽しんでほしい。

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