なぜ“命を大切に”なのか?「アンナチュラル」「MIU404」、そして『ラストマイル』×米津玄師が与えるメッセージ
新曲「がらくた」は『ラストマイル』にどう寄り添うのか?
そんな2作の世界観が混じり合った作品『ラストマイル』は、流通業界最大のイベントの一つ“ブラックフライデー”の前夜、世界的なショッピングサイト最大手から配送された段ボール箱が爆発する事件が発生したところからスタート。それは、日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく。
カギを握るのは、関東の4分の3を担う巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)と、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)。いったいどのように「アンナチュラル」、「MIU404」の世界と交錯するのか、そして『ラストマイル』ではどんなメッセージを我々観客に届けてくれるのかが期待されてきた。
主題歌である「がらくた」の歌詞からは、こんなメッセージを受け取ることができる。誰かにとっては“がらくた”として扱われる者であったとしても、そこには命が通っていること、誰かは「構わないから 僕のそばで生きていてよ」と願っているということ。年々システマチックに、効率化されていく物流の世界を舞台に、そこにいるすべての人の役割というものが描かれる本作に、そんな米津のメッセージが優しく寄り添っている。
命の尊さ、生きることの美しさを歌う
このように3作の主題歌について紐解いてみると、米津は命の尊さ、そして生きることの美しさを歌っているようにも思える。「命は大切に」――わかりきっていることではあるが、なぜそうでなくてはいけないのか。そんな基本的なことの、根本に立ち返らせてくれるのが米津の楽曲の魅力だ。
はたして公開中の映画『ラストマイル』ではどのように作用しているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい!
文/於ありさ
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