『エイリアン:ロムルス』が2位に初登場!ラージフォーマットとの親和性の高さがヒットの決め手に
9月6日から9月8日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、前々週と2位以下に大きな差をつけてNo. 1を守り続けている『ラストマイル』(公開中)が、今週も首位をキープし3週連続Vを達成。週末3日間で動員31万7000人、興収4億7500万円を記録しており、累計成績では動員213万人&興収30億円を突破している。
誕生から45年!「エイリアン」シリーズ最新作が襲来
今回大きく取り上げたいのは、2位に初登場を果たした『エイリアン:ロムルス』(公開中)。リドリー・スコットが手掛けた『エイリアン』(79)を皮切りに、ジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャー、ジャン=ピエール・ジュネといった巨匠監督たちがつないできたSFホラーシリーズの最新作となる同作。『プロメテウス』(12)と『エイリアン:コヴェナント』(17)でシリーズにカムバックを果たしたスコットが製作総指揮を務め、新たにメガホンを託されたのは、「ドント・ブリーズ」シリーズのフェデ・アルバレス監督だ。
初日から3日間の成績は、動員が19万3000人、興収が3億1900万円。集計方法が異なるため直接的な比較はできないが、前作『エイリアン:コヴェナント』は土日2日間で動員13万8300人、興収1億9400万円を記録しており、ほぼ同等のスタートを飾ったと考えても差し支えないだろう。その前の『プロメテウス』は768スクリーンという大規模上映の効果もあってより大きな初動成績を叩きだしているのだが、いずれにしても「エイリアン」シリーズは“SFホラーの金字塔”と呼ばれるにふさわしい動員力をいまも保っているといえよう。
特に今回出色の成績を収めているのがラージフォーマットでの上映。IMAXとDolby Cinema、4DX、ScreenXで上映されており、初動興収の30%(およそ1億円)がラージフォーマット上映によるもの。日本でも、のべ上映館数154館(9月9日現在)でラージフォーマットでの上映が行われている。宇宙空間でエイリアンが迫る恐怖を最大限に味わえるアトラクション性の高い映像体験は日本のみならず海外でも好評で、なかでもIMAXでの全世界興収は3720万ドルを突破し歴代ホラー映画の新記録を樹立。世界2位の市場規模を誇る中国で北米に匹敵するだけのヒットを飛ばしているのも、こうしたラージフォーマット上映との親和性の高さが決め手となっているようだ。
長期にわたって続くシリーズ作のデメリットともいえる、“過去作を見ていないとわからない”現象が起こり得ない、キャスト&ストーリーの一新(もちろん時系列的にはシリーズ第1作を観ておくのがオススメだが)も後押しし、若い世代を「エイリアン」シリーズに引き込むことにも成功した今作。まもなく誕生から半世紀を迎えようとしているシリーズが活況というだけで、往年のファンにとってはうれしい驚きだ。