ゾンビから逃れた先に食人族!“史上最●のゾンビ映画”『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』とは?
完全新録の日本語吹替版は、まるでテレビの“洋画劇場”
さて、今回のBlu-ray「超・特別版」の最大の見どころともいえるのが、今回のパッケージ化にあたって制作された、完全新録の日本語吹替版。かつての洋画は、テレビ放送にあわせて吹替が作られるのが当たり前だったが、本作の場合はそれが叶わず。約40年の時を経て、今回初めて吹替版が作られることとなった。
しかもその声優陣が実に豪華。ロンドン中尉の声はリーアム・ニーソンの吹替えを近年担当している谷昌樹、サントロ軍曹役には数々の洋画吹替えやアニメ作品などで活躍するベテラン声優の大塚明夫、ヴィンセント役にはシャイア・ラブーフやオスカー・アイザックなどの吹替えで知られる小松史法、さらにオズボーン役には個性派俳優の吹替えを得意とする多田野陽平。そしてヒロインのリア役を白石涼子が務め、カメラマンのマックス役には宮崎遊。
この錚々たる顔ぶれが声を吹き込んだことで、阿鼻叫喚の世界にどっぷりとのめり込むことが可能に。ちなみに彼らの日本語吹替えを楽しみたいという方には、特典メニューの「洋画劇場風日本語吹替再生」から再生することをオススメしたい。詳細は興を削ぐので割愛するが、まるであの頃のテレビの洋画劇場を観ている気分が味わえる、マニア垂涎の機能だ。
さらに特典映像もかなり充実。リア役を演じたマージ・ニュートンや、脚本家のクラウディオ・フラガッソ、同じく脚本を務めたロッセラ・ドルーディが“回想”というかたちで本作との思い出を語るインタビューが合計100分以上も収録。さらに、当時イギリスで劇場公開後にVHSリリースされた際のエピソードが明かされる「VHSゾンビの襲来:ヘル・オブ・ザ・リビングデッドとビデオの時代」と題したインタビュー映像も、ジャンル映画ファン必見の内容となっている。これらを観れば、さらに本作が愛おしく思えてくることだろう。
また、封入特典である特製16Pブックレットには「『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』40年戦記」と題し、スティングレイ代表の岩本克也が本作との出会いから、40年の時を経て劇場公開に乗りだし、今回パッケージ化するに至るまでのエピソードがぎっしり。本作を隅々まで知るための副読本としてもってこいだ。
“史上最●のゾンビ映画”とも称されたことでタイトルだけは有名だったが、なかなか観る機会に恵まれなかったカルト作の全貌を、隅々まで味わい尽くせる「超・特別版」。是非とも入手して、怒涛のクライマックスと、その先に待ち受ける地獄を目撃してみてはいかがだろうか。『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド 超・特別版』はオフィシャルサイトほかにて発売中。
文/久保田 和馬
発売中
本編100分+映像特典
販売価格 5,720円 (本体5,200円+税10%)
発売元 株式会社スティングレイ