ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が「デューン」の今後に言及!「“三部作”ではなく独自のアイデンティティを持った作品」「扉を閉ざすつもりはない」
「デューン」シリーズのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、ポッドキャスト番組「Little Gold Men by Vanity Fair」に出演。『デューン 砂の惑星PART2』(24)の公開直後に正式にゴーサインが出されたシリーズ第3作『Dune Messiah』と、シリーズのその後について言及した。
フランク・ハーバートの壮大なSF小説シリーズ「デューン 砂の惑星」に魅了されたヴィルヌーヴ監督が、その映画化を熱望して実現にいたるまでの歳月は実に35年。第1作『DUNE/デューン 砂の惑星』(20)は、コロナ禍での公開でありながら全世界興収4億ドルを突破するヒットを記録。第94回アカデミー賞では作品賞など10部門にノミネートされ、6部門を受賞。その成功を受けて製作が進められた第2作『デューン 砂の惑星PART2』は、全世界興収7億ドル超と、前作を上回るメガヒットを記録している。
番組内でヴィルヌーヴ監督は、シリーズ前2作について「私にとって“二部作”であったことを多くの人に理解してもらうことが重要です」と強調。「原作シリーズの第1作である『デューン 砂の惑星』を映画化した2本の映画は完成し、終わりを迎えました。いま脚本を執筆している『Dune Messiah』は3作目ではありますが、“三部作”とはなりません。独自のアイデンティティを持った作品にするつもりです」と、ハーバートの「デューン 砂漠の救世主」を原作にした次作の位置付けについて説明。
また「『Dune Messiah』が実現するころには、私はかなり長い年月を惑星アラキスで過ごしたことになります。なので、なにかほかのことをしたいと考えています」と、かねてから噂されていた通り次作をもって「デューン」シリーズから離脱することを表明。その上で「誰かが原作の続きを映画化したいと思った時に、その種になるようなプロジェクトにしたいと考えています。原作はとても美しい反面、どんどん難解になっていく。私自身はやりませんが、ほかの誰かならできるかもしれない。私は『デューン』の扉を閉ざすつもりはありません」と宣言した。
現時点で『Dune Messiah』は2026年ごろに撮影がスタートする見込みといわれているが、ヴィルヌーヴ監督は他にもアーサー・C・クラークの「宇宙のランデヴー」の映画化企画や、クレオパトラを題材にした映画、さらにキム・ボヨンの短編小説「I am Waiting For You」の映画化や、アニー・ジェイコブセンの著書「Nuclear War: A Scenario」の映画化などに取り組む可能性があることが報じられている。
ちなみにワーナー・ブラザースは今年6月に今後の大作映画の公開スケジュールを見直し、ヴィルヌーヴ監督とレジェンダリー・ピクチャーズによる新作映画の公開予定日を2026年12月18日(金)に設定している。『Dune Messiah』がここに入るのか、それともほかのプロジェクトが先に動くのか。続報から目が離せない。
文/久保田 和馬