再ブレイク中のウィノナ・ライダー!『シザーハンズ』&『若草物語』から「ストレンジャー・シングス」、『ビートルジュース』続編へと至るキャリアを追う
“使いにくい”俳優から「ストレンジャー・シングス」で完全復活!
『若草物語』(94)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたライダーが、このまま大女優としてキャリアを着実に築いたかといえばそういうわけでもない。もともと精神的な危うさを抱えやすいタイプで、プロジェクトからの降板もチラホラ。恋愛関係も華やかで、『ヘザース』のクリスチャン・スレイター、『シザーハンズ』のデップ、『エイジ・オブ・イノセンス』のダニエル・デイ=ルイスなど共演者とすぐに恋におちたケースは多数。2001年にはビバリーヒルズで窃盗容疑によって逮捕されるなど、ハリウッドでは“使いにくい”俳優というレッテルを貼られてしまう。
しかし2006年くらいから俳優業に真摯に取り組むようになり、特に2016年に始まったNetflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」では、ライダーのキャリアの原点である80年代へのオマージュと共に、彼女の演技も賞賛され、ゴールデン・グローブ賞ノミネートなどで完全復活を遂げた印象だ。
少女時代の面影と共に現在の新たな魅力も振りまく『ビートルジュース ビートルジュース』
こうした山あり谷ありのキャリアを経たライダーが、自身の“原点”でもある役に戻ってくるのだから、映画ファンには感慨深いばかり。『ビートルジュース ビートルジュース』でのリディアは、テレビ番組「ゴーストハウス・ウィズ・リディア・ディーツ」の司会者で10代の娘もいる。ゴスっ娘が多くの経験を積んで、どんな大人になったのか。そしてマイケル・キートン演じるビートルジュースとは、どんな関係になるのか。バートンが愛情たっぷりにカメラで捉えたライダーのリディアは、少女時代の面影を呼び起こしつつ、ベテラン俳優としての新たな魅力も振りまいている。
文/斉藤博昭
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