福山雅治、『三度目の殺人』の観客による鋭い指摘に感謝!

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福山雅治、『三度目の殺人』の観客による鋭い指摘に感謝!

『そして父になる』(13)の福山雅治と是枝裕和監督が2度目のタッグを組んだ映画『三度目の殺人』の公開記念舞台挨拶が、9月19日にTOHOシネマズスカラ座で開催。福山と是枝裕和監督が舞台挨拶に登壇した。福山はティーチインで上がった観客からの鋭い質問や指摘に感動し「届くものはちゃんと届くんだなと、すごく感じました」と喜んだ。

本作は第74回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門へ選出され、公式上映後に6分間のスタンディングオーベーションを浴びたばかり。福山は「スタンディングオーベーションの後、僕の膝に監督が手を載せられて。その手をつかもうと思ったけど『ちょっと待てよ』と。ぎゅっと握れば良かったけど、ちょっと照れちゃって」と振り返ると、是枝監督は「もし握られたら僕はもっと照れてた」と笑いながらうなずいた。

『三度目の殺人』は法廷を舞台にした心理サスペンス。勝ちにこだわる弁護士・重盛(福山雅治)が、二度目の殺人を犯した容疑者・三隅(役所広司)の弁護をする。ところが三隅の供述が二転三転し、重盛の心がかき乱されていく。ティーチインでは、何度も映画館に足を運んだリピーターから、ディテールに斬り込んだ質問が上がった。

雪のシーンの足跡の意味について聞かれた是枝監督は「あれ、動物なんだよね。ちょうどいい感じに入ってる。カメラが入って初めてわかったんだけど」と、撮った後で物語の展開に合わせて活かしたことを明かした。

さらに『そして父になる』と本作の階段が印象的だと指摘された監督は、ロケ地について「階段で決めました」とキッパリ語った。福山から「石の階段とか螺旋階段が好きですよね?」と聞かれた是枝監督は「光の入り方が変わるので、階段で人を撮るとワクワクするんです」とうれしそうに語った。

また、三隅、重盛、広瀬すずが演じた咲江に通じる「父と娘」の関係性について問われた是枝監督。「重盛が三隅に対してどうやって距離を詰めていくかを考えて、雪景色という同じ原風景を共有していることと、みんな父娘関係に失敗している3人という共通点をもたせようとした」と明かした監督だったが、最後のシーンについては「そこまで考えてはいませんでした」と笑う。

福山はそのやりとりに感銘を受け「こだわりが少しずつ積み重なっていったものが映画。もの作りとはそういうこと。今回3つも教えていただいてうれしかったです」と観客に感謝した。【取材・文/山崎伸子】

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