ジョーカーが仕掛ける狂乱の世界へ没入!“IMAX推し”な『ジョーカー2』はレディー・ガガの歌声も最高の環境で

コラム

ジョーカーが仕掛ける狂乱の世界へ没入!“IMAX推し”な『ジョーカー2』はレディー・ガガの歌声も最高の環境で

“耳”で味わうIMAXの醍醐味!歌姫レディー・ガガの魂の歌声に心震える

タイトルにある“フォリ・ア・ドゥ”は、実際に精神分野で使われている医学用語であり、一人の妄想が親しい人物に伝播し、その相手もまた同じ妄想にとらわれるようになるという「感応精神病」を意味している。その言葉通り本作では、ジョーカーの狂気がリーへ、そして群衆へと伝播し、やがて狂乱の世界がやってくる。

【写真を見る】レディー・ガガ演じる謎の女リーの思惑とは!?前作を凌駕する衝撃のラストに驚愕
【写真を見る】レディー・ガガ演じる謎の女リーの思惑とは!?前作を凌駕する衝撃のラストに驚愕[c] & TM DC [c] 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.IMAX[r] is a registered trademark of IMAX Corporation.

舞台は前作から2年後。理不尽な世の中の代弁者として民衆から祭りあげられ時代の寵児となったジョーカーは、アーカム病院に収容されていた。そこでおとなしく過ごしていた彼は、ある日施設内の音楽教室でリーという女性と出会い、ジョーカーに共鳴したと語る彼女にたちまち惹かれていくこととなる。一方、2年前に起こした事件の是非を問う裁判が全世界に中継されることが決まり、地方検事はアーサーを有罪にすべく躍起となっていた。

劇中の大半がアーカム病院の施設内と、アーサーが出廷する法廷でのシーンに集約されている。どちらも外界からは閉ざされた場所であり、大都会のなかで繰り広げられた前作とは異なるアプローチでアーサーの孤独感が表現されているといえよう。その苦悩と絶望が暴力として表出しジョーカーへと転じていった前作に対し、すでにジョーカーになっている本作では、よりアーサーの内面的な混沌に触れていく。

劇中の歌唱パートはすべてライブレコーディング!レディー・ガガの歌声をIMAXの音響で堪能
劇中の歌唱パートはすべてライブレコーディング!レディー・ガガの歌声をIMAXの音響で堪能[c] & TM DC [c] 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.IMAX[r] is a registered trademark of IMAX Corporation.

それを表現しているのがミュージカルシーンだろう。フェニックスとガガ、劇中で歌唱を披露する2人の歌声は撮影中にライブレコーディング(=同時録音)された“本物”の歌声であり、台詞の演技に込められていた感情を途切れさせることなく観客をミュージカルシーンへといざなう。改めて説明するまでもなく、ガガは13度のグラミー賞に輝く世界的歌姫。まさに彼女のために用意されたと言わんばかりの格好の舞台となり、IMAXのこだわり抜かれた高精度な音響で味わえばなおさらに、まるでライブ会場にいるかのような臨場感で鳥肌が立ちっぱなしだ。


もちろん前作でアカデミー賞作曲賞に輝いたヒドゥル・グドナドッティルが再び手掛けた劇伴も、流れるたびにずしんと体の奥深くに刺さるような重厚さを携え、作品への没入感をより一層高めてくれる。また、音楽以外にも小さな効果音ひとつ逃さずに聴き取れるのがIMAXの醍醐味であり、ダンスシーンでのステップや、呼吸やリップ音など、そのシーンそのシーンごとのアーサーの不安定な心理状態をより細かなところまで確認することができるだろう。じっくりと“音”の妙味に着目してみるというのも一興ではないか。

視覚的な面でも、海上に浮かぶアーカム病院の異様かつ威圧的な外観と荒んだ内部の様子に、どこか落ち着かない閉塞感を味わうことになる。それが物語の要所で降りしきる雨によって助長されると、知らず知らずのうちにアーサーの抱える孤独と怒りを自分ごとのように捉えてしまうかもしれない。それはもうジョーカーの狂気に呑み込まれている証拠。そんな時は、劇中に散りばめられているフレッド・アステア作品をはじめとした往年の名作ミュージカル映画へのオマージュを探しながら、正気を保つことをおすすめしたい。


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