“悪魔の子”ダミアン降臨から半世紀…誕生秘話を描く『オーメン:ザ・ファースト』に詰まった第1作とのリンク
6月6日、ダミアンの誕生を阻止せよ…細部まで第1作とのリンクが詰まった『オーメン:ザ・ファースト』
『オーメン:ザ・ファースト』の舞台は1971年、6月6日のダミアン誕生が間近に迫る時期である。アメリカの修道女見習いマーガレット(ネル・タイガー・フリー)は、師であるローレンス枢機卿(ビル・ナイ)の勧めでローマの修道院で孤児たちの世話をすることになった。子どもたちになじみはじめたマーガレットは、カトリック教会を破門されたブレナン神父(ラルフ・アイネソン)から修道院の少女カルリータ(ニコール・ソラス)に用心するよう警告を受ける。彼女は教会内の陰謀により“悪魔の子”の母親になることを運命づけられた少女だという。
本作でまずおどろかされるのが、ダミアン誕生が教会内の一部グループによる陰謀だという事実。第1作にも登場したブレナン神父はそれを阻止するため奔走し、マーガレットに協力を願い出る。本作内で“悪魔の子”はキリストの敵対者、反キリスト(アンチキリスト)と呼ばれているが、『Antichrist』は第1作の企画時のタイトルでもあったといわれる。悪魔を求めるグループの狙いは、教会の力を維持するため強大な敵を作ることで、60~70年代にかけ活発だったカウンター・カルチャーで揺らぐ信仰心を取り戻すためと設定されている。『オーメン』ではダミアンが権力に近づく姿が描かれていたが、そんな体制への反骨精神が『オーメン:ザ・ファースト』にも受け継がれたのだ。
ブレナンが追うカルリータの姓はスキアーナ。第1作で墓石に刻まれていたダミアンの母マリア・スキアーナと同じだが、本作でスキアーナは姓ではなく悪魔の子の母親候補に付けられた通称で、彼女以外にも過去多くのスキアーナが存在したことが明かされる。
そこで生まれる疑問が、第1作でダミアンはジャッカル(山犬)を母に生まれたとされていたこと。実際、マリア・スキアーナの棺には骨になったその遺体が収められていた。実は、ダミアンの母は人間とジャッカルのハーフで、ジャッカルそのものではないことが本作で明かされた。母は教会の手を逃れたため、ダミーの骨が埋められていたことになる。ほかにもダミアンとその母親の“666”のあざの位置を関連付けたり、ダミアン出産シーンにソーンに養子を勧めたスピレット神父が立ち会う姿が見られたりと、細部に至るまで第1作と繋がっている。
そして、本シリーズの特徴であるショックシーンにも多くのリンクが。『オーメン:ザ・ファースト』の冒頭、教会の前でブレナン神父らにステンドグラスの破片が降り注ぐさまは、避雷針に刺し貫かれるブレナン神父や首を切断されるジェニングスのシーンを暗示。カルリータと仲の良い修道女が「あなたのためよ」と呟きながら自らに火を放ち首を吊ったり、マーガレットがクラブで出会った若者が車と塀の間に挟まれ体を切断されたり…など、見事に第1作に沿っている。ちなみに死亡シーンはどれもリアルな仕上がりだが、流血描写を抑える姿勢は第1作と同様に貫かれているのでご安心を。
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