「“縁の力”の温かさに優しい気持ちになった」「言葉の意味を知れてよかった」…『アイミタガイ』のタイトルの意味に映画ファンも感無量!
『彼女が好きなものは』(21)などの草野翔吾監督が、中條ていの同名小説を映画化した『アイミタガイ』(11月1日公開)。日々の生活を送るなかで出会う人と人との優しいつながりが、巡り巡って誰かの心を灯していく様子を描く感動作に仕上がっている。
MOVIE WALKER PRESSの試写会でひと足先に作品を鑑賞した映画ファンからは、「人の温かさや、優しさに触れて乗り越えていく様が、心に響いて何度も泣いた」(30代・女性)、「タイトルの意味を自然に回収していくストーリーがとてもよかった」(40代・男性)など感動の声が数多く届いている。観終わったあと、自分の人生を振り返ったり、人とのつながりの大切さを再認識したくなる本作。その心温まる魅力や“アイミタガイ”という言葉の意味について、観客の声と共にひも解いていきたい。
3人の監督がバトンをつないだ優しさに満ちた物語
本作は、2013年に幻冬舎の自費出版ブランドから刊行された同名小説を映画化するにあたり、『台風家族』(19)などの市井昌秀監督が書き上げた脚本の初稿を、名匠、佐々部清監督が受け継いで映画化へと乗りだした。ところが、2020年に佐々部監督が急逝。時代はコロナ渦に突入するが、そのバトンを草野監督が受け取り再始動する。こうした経緯で3人の監督によって作り上げられた本作は、“アイミタガイ”の精神が受け継がれ、人の縁を感じられる温かさにあふれたストーリー展開となっている。
ウェディングプランナーの梓(黒木華)のもとに、ある日、親友の叶海(藤間爽子)が不慮の事故で亡くなったという報せが届く。大切な人の死を受け止めきれずに立ち止まってしまった梓は、恋人の澄人(中村蒼)との結婚にも踏みだせず、生前に叶海と交わしていたトーク画面に、他愛もないメッセージを変わらずに送り続けていた。
同じころ、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、ある児童養護施設から叶海宛てのカードを受け取ったことをきっかけに、娘の生前の行いや遺品のスマホに溜まっていたメッセージの存在に気づく。
一方、ある金婚式を担当することになった梓は、式でのピアノ演奏を依頼するため、叔母の知り合いであるこみち(草笛光子)の家を訪ね、中学時代にこの家から流れるピアノの音色を叶海と一緒に聴いていたことを思い出す。思わず「叶海がいないと前に進めないよ」とメッセージを送る梓だが、その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に「既読」がつき…。
“アイミタガイ”の心でつながっていく人々の優しい物語
大切な人の死やいじめ、仕事や結婚への悩み、戦争の記憶など、前に進めず立ち止まってしまった人々が登場し、思いがけない誰かの優しさに背中を押され、一歩を踏みだしていく…。見逃してしまいそうな、人と人とのつながりが起こす奇跡のような物語に、「心を揺さぶられた」「涙した」というコメントが多く寄せられている。
「涙なしでは観られない作品で、観終わったあとも余韻に浸りたくなりました」(30代・女性)
「静かで温かくて、ほろほろと涙が流れるようでした」(20代・女性)
「誰でもなにかを世界に残しているのだなと、“縁の力”の大きさと温かさに優しい気持ちになった」(40代・女性)
「すれ違う人たちにもそれぞれのストーリーがあって、どこかでつながっていると感じました」(30代・女性)
「自分も人にいい影響を与えられていたらうれしいし、周りから助けられていると感じました」(40代・女性)
親友を失った悲しみから立ち直れない梓を中心に、見落としてしまいそうな日々の何気ない人々との出会いが連鎖していく様子が、さりげなくも丁寧に伏線を回収しながら紡がれており、最後には爽やかなカタルシスをもたらしていく。すべてがつながっていくその鮮やかな物語に「感動を覚えた」という声もまた多く見られた。
「すべてつながっていたとわかった時の主人公の気持ちを想像して、驚きと感動を覚えました」(20代・女性)
「様々な関係性の間に起こるすてきな瞬間を描いている、美しい作品だと思いました」(30代・女性)
「映像にもストーリーにも光があふれていて癒されました」(20代・女性)