“馬ヴェノム”の疾走感に、ゴージャスなベガスの夜!IMAXで観ると興奮が倍増
ヴェノムをはじめとしたシンビオートを創りだし、マーベルコミックでは宇宙規模の超凶悪なヴィランとして描かれていたヌル(演じているのは前作でメガホンをとった、モーションキャプチャの名手アンディ・サーキスだ!)。この不気味な存在が狙うのは、幽閉された自らを解放するカギとなる“コーデックス”と呼ばれるもので、なんとエディとヴェノムがそれを持っているという。
一方、ヌルが送り込んだゼノファージは、ヴェノムが完全体になった時にその居場所を瞬時に察知するので、ここぞというときに完全体になったヴェノムに間髪入れずに襲来。さらにストリックランド(キウェテル・イジョフォー)率いる特殊部隊は、エディかヴェノムのどちらかが命を落とせば“コーデックス”が消えてなくなると知り、未知なる脅威の到来を阻止するために迫ってくる。エディとヴェノムは、まさに絶体絶命の状態に追い込まれるのだ。
序盤のメキシコでのシーンは、夜も深く薄暗いのだが、IMAXで観るとそのディテールまではっきりと確認でき、明らかに不穏なムードがただよう場所だと一目瞭然。地元のマフィアとの乱闘から、エディとヴェノムの息の合ったコンビネーションは炸裂し、ヴェノムの強さと残虐さもいつも通り。本作から「ヴェノム」シリーズを観るという人でも、この一連だけでシリーズの持ち味を目の当たりにできることだろう。
さらにメキシコからアメリカへの移動方法は、まさかの「ミッション:インポッシブル」顔負けの大胆不敵な方法。グランドキャニオン上空を飛ぶ大型旅客機にしがみつき、おそらく上空1万メートルほどだろうか、突然現れるゼノファージと航空機の上で最初のバトルが展開。ここでも風を切る音やジェットエンジンの轟音など、IMAXの音響面での醍醐味を存分に味わうことができよう。
また、地上での移動では公開前に大きな話題を集めた“馬ヴェノム”の躍動感にしびれ、水中で魚に寄生したり近くにいる生物に次々と寄生していくヴェノムの愛らしさ。作品全体を盛り上げる音楽の数々など、どこまでも自由な「ヴェノム」らしいアクションで楽しませてくれる。そして絶景を大スクリーンで味わった後に待つのは、とにかく華やかでゴージャスなラスベガスの夜。
ここで予想外のかたちで登場するのは、いつもエディが通っていた商店の主であるチェン(ペギー・ルー)。かつてヴェノムが強盗を撃退したことから、シリーズの影のヒロインでありエディたちの良き理解者でもあるチェンと繰り広げるのは、贅沢なペントハウスでのダンスシーン。タイトルの“ラストダンス”を回収するのか!?と思ってしまうほどユニークで微笑ましい光景が終わると、ここから疾風怒濤の本当の“ラストダンス”が幕をあける。