磯村勇斗が盟友、北村匠海監督と熱いトーク!のんら豪華ゲスト登壇の「しずおか映画祭」が開催

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磯村勇斗が盟友、北村匠海監督と熱いトーク!のんら豪華ゲスト登壇の「しずおか映画祭」が開催

俳優の磯村勇斗主宰、プロデュースによる「しずおか映画祭」が、11月4日に磯村の地元である静岡県沼津市の沼津市民文化センターで開催され、同じ静岡出身の原田眞人監督作『わが母の記』(12)や、磯村の友人、北村匠海の初監督作『世界征服やめた』(2025年2月公開)、沼津で撮影した沖田修一監督作『さかなのこ』(22)、静岡出身の佐津川愛美がプロデュースした短編映画『arigato2000』が上映された。各作品上映後には、北村ら豪華ゲストが登壇するトークショーも開催。磯村は、MCを務めた映画パーソナリティの伊藤さとりと共に全ゲストを出迎え、楽しい撮影エピソードを繰り広げた。

【写真を見る】主宰の磯村勇斗のほか、のんら豪華ゲストがずらり!大盛り上がりとなった「しずおか映画祭」
【写真を見る】主宰の磯村勇斗のほか、のんら豪華ゲストがずらり!大盛り上がりとなった「しずおか映画祭」

まずは、賴重秀一沼津市長も駆けつけたオープニングイベントで幕を開けた本映画祭。磯村は万感の表情で「映画を身近に感じてほしいという想いから、今回この『しずおか映画祭』を立ち上げまして、なにができるかと考え、ちょうど昨年、沼津市市制100周年の際にこの舞台に立って、『映画祭をやりたいです』と言ってから1年。こんなに早く自分の夢が叶うとは思っていなかったです。ぜひ、映画とトークを楽しんでいただけたらと思います」と挨拶。

『わが母の記』の原田眞人監督と磯村勇斗
『わが母の記』の原田眞人監督と磯村勇斗

第一部では、『わが母の記』が上映され、ゲストとして原田監督が登壇。磯村は「原田眞人監督が沼津出身の大先輩であり、どこかでお会いできるかなと思っていたのですが、いままでなかなかお会いできず。今回『しずおか映画祭』をやるなら、原田監督が居ないと無理です、とお願いし、実現しました」と緊張の面持ちを浮かべて、原田監督を呼び込む。

原田監督は、本映画祭を主宰した磯村について「すばらしいですよね!僕なんか沼津でも映画祭をやんなきゃいけないなと思っていてなにもできなかったけど…やはり勇斗様が!」と称賛すると、磯村は恐縮しつつ照れ笑い。

原田眞人監督と磯村勇斗が笑顔でトーク
原田眞人監督と磯村勇斗が笑顔でトーク

また、原田監督は磯村について「映画『PLAN 75』を観て、良い役者がいるなとビックリしたんです。沼津出身にこんな役者が居たのかと思いました」と磯村を称えると、「(沼津に)隠れていました。うれしいですね」と磯村は気恥ずかしそうに笑顔を覗かせる。原田が続けて「いろんな作品で声を掛けようとしても、忙しくて全然スケジュールが取れなくて…。でも、近い将来一緒にやりますから!」と語ると、会場内には割れんばかりの拍手が巻き起こった。

『八犬伝』が大ヒット中の役所広司からビデオメッセージが
『八犬伝』が大ヒット中の役所広司からビデオメッセージが

さらに原田監督作に多数出演しており、現在公開中の映画『八犬伝』で磯村と父子役を演じた役所広司から、ビデオメッセージも届いた。役所は「『しずおか映画祭』を磯村くんが立ち上げると聞いてほんとに驚きました。とてもすばらしい。これからも何年も続いてくことを願っています」と期待を寄せ、「そして、ぜひ『八犬伝』もご覧ください。磯村くんの役に対する姿勢にとても刺激を受け、助けてもらいました。またご一緒するのを楽しみにしています」と『八犬伝』についてもしっかりとアピール。

磯村勇斗、静岡出身の原田眞人監督、遠藤愛海監督
磯村勇斗、静岡出身の原田眞人監督、遠藤愛海監督

また、沼津出身の映画関係者として、磯村が運命を感じたという新鋭、遠藤愛海監督も合流。遠藤監督は、京都造形芸術大学で映画製作を学んでおり、第46回ぴあフィルムフェスティバル2024で、監督作『さよならピーチ』がエンタテインメント賞(ホリプロ賞)を受賞している。遠藤監督から、映画監督を続けていくうえでのアドバイスを求められた原田監督は「メンタルを鍛えること。あと、助監督は人柄が大事」とエールを贈った。

磯村勇斗と佐津川愛美の2ショット
磯村勇斗と佐津川愛美の2ショット

第二部の1本目に上映されたのは、佐津川プロデュース作品『arigato2000』。先日まで開催されていた、佐津川のデビュー20周年プロジェクト「佐津川愛美映画祭 静岡公演」には磯村も登壇していたそうで、様々な方法で映画に携わっている者同士の映画愛にあふれたトークイベントとなった。

『arigato2000』は、子ども向け映画ワークショップの企画として、佐津川が静岡の子どもたちと一緒に撮影を行った短編作品だ。佐津川は「映画の現場が好きなので、経験してほしかった」と明かす。

佐津川がプロデュース作品『arigato2000』を引っ提げ登場
佐津川がプロデュース作品『arigato2000』を引っ提げ登場

さらに佐津川は「参加した子どもたちからは、『緊張したけど楽しかった』『こういう仕事があるんだと初めて知った』などという声をいただきました。子どもたちから一番人気があったのは俳優部。誰にでもチャンスはあるんだ!と思ってもらいたくて、参加者の皆さんには志望動機を聞いて、各々選びました。希望していなかった部署でもこんなに楽しいことがあるんだって知ってもらいたかったんです。“現場体験”にフォーカスすることができて良かったです」と力強く語った。

『世界征服やめた』の北村匠海監督
『世界征服やめた』の北村匠海監督

第二部の2本目に上映されたのは、北村の監督デビュー作『世界征服やめた』。上映後に登場した北村は、映画祭を企画、開催した磯村について「役者から飛び越えた話をよくしていたので、不思議と驚きはなかったです。だよな、やるよな、勇斗って感じでした。ただ、自分が監督をするというタイミングと重なったのは運命だなと思ったし、必然的なのかな」と言葉をかみしめる。

磯村も「役者同士として映画とかで共演はしていたけれど、こういう形でこの場に登壇する日が来るとは思っていなかった。でも、どこかこういう日が来てもいいんじゃないのかなっていうぐらい、2人で役者以外の話もしていたので、今日この時間が作れたことをうれしく思います」とお互いに照れながらも、感無量の様子だった。

ゲストと映画について楽しくクロストークをする磯村勇斗
ゲストと映画について楽しくクロストークをする磯村勇斗

その後、北村は映画作りを目指したきっかけについて問われると、「小栗旬さんが監督をされた映画『シュアリー・サムデイ』がきっかけです。その経験があったので、役者が監督をするっていうことに対して、すごくポジティブな印象を受けたんです。現場で小栗さんが子役じゃなく1人の役者として接してくださったことで、自分自身の役者の人生が変わった作品でもあります。その時に、いつか絶対、映画監督をやるんだと思って、いまに至るんです。そして、偶然にも小栗さんが『シュアリー・サムデイ』を撮った年齢と今回の映画を企画した時の僕の年齢が同じなんです」と秘話も明かした。

最後に北村は今後について「(磯村と)2人で必ずなにかしらやるでしょうね。『しずおか映画祭』にもスタッフとかポスターのカメラマンとかテーマ曲を作るとか?実は、楽曲『世界征服やめた』のMVも沼津で撮影されていたこと後々知って、これはもう運命だと思った」と熱い想いを語ると、磯村も「なにか導かれている気がしてならない」と同意した。

『さかなのこ』ののん、沖田修一監督、磯村勇斗
『さかなのこ』ののん、沖田修一監督、磯村勇斗

第三部では『さかなのこ』が上映され、主演ののんと沖田監督が登場。「しずおか映画祭」への参加について沖田監督は、「こういう映画祭を俳優の磯村くんが考え、立ち上げるなんて想像もつかなかったし、『さかなのこ』を上映していただき、トークイベントに参加できることが感慨深く、うれしい気持ちです」と喜びを口にした。


『さかなのこ』でのんと共演した磯村は、撮影を振り返り「のんさんとは本作が初共演。お芝居をしていて、なにが来るか分からない感じがすごく楽しかったです。一緒に青春を作りましたね」と話すと、のんも「総長(磯村の役)をはじめ、不良グループの皆さんがかわいく見える演出を監督がしていて、それをどうする?と磯村さんたちが話し合っている姿がかわいかったです」と共演シーンについて言及した。

笑顔で手をふるのん、沖田修一監督、磯村勇斗
笑顔で手をふるのん、沖田修一監督、磯村勇斗

また、のんは『さかなのこ』は自身にとってどんな作品になったかという質問に「特別な存在の映画」とし「劇中の台詞の“好きに勝るものなし”という言葉が残っていて、自分が好きだと思うことを貫き通していいんだと思わされた。自分は突き進んでいっていいんだと迷いがなくなりました」と力強く語った。

磯村は「それが根源なんですね。幅広くいろいろとやられているのでリスペクトしています!」と称賛すると、のんも「磯村さんも映画監督や絵も描かれているし、映画祭にも携わっていてすごいです」と、互いに尊敬の念を伝えあった。


しずおか映画祭は、会場前で地元の食材などをふんだんに使った食の広場なども展開し、映画文化だけでなく街全体を盛り上げるイベントとして大盛況だった。朝から晩までの長丁場となったが、磯村は「始まるとあっという間に終わってしまうんだなと」と語り「多くの方々に協力していただき、今日という日を迎えられて感謝しています。これからも続けていけるように頑張ります。皆さんと育んでいくものだと思うので、引き続き応援してください!」と感謝とともに、次回以降の開催にも意欲を見せ、今日一番の大きな拍手と歓声に包まれた。

文/山崎伸子

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