大人も夢見るクリスマス映画『レッド・ワン』のクリエイティブを鈴木おさむが絶賛。「サンタが存在する完璧な世界観に脱帽」

インタビュー

大人も夢見るクリスマス映画『レッド・ワン』のクリエイティブを鈴木おさむが絶賛。「サンタが存在する完璧な世界観に脱帽」

「たった2時間の映画も2人のイベントになって、僕には大切な時間です」

 タイムリミットが迫るなか、2人はサンタを奪還することができるのか…
タイムリミットが迫るなか、2人はサンタを奪還することができるのか…[c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVEDIMAX[R] is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

サンタをめぐる陰謀に加え、本作はジャックと別居中の息子ディランの父子が絆を紡ぐドラマも重要なモチーフになっている。「以前は片親といえば“シングルマザーの母と息子”という設定が主流でしたが、アメリカの時世なのか、ここ数年は父と子どもの関係を描いた映画が増えているように感じます。興味深かったのは、ディランが事件に巻き込まれる原因を父親が作ったこと。自分の悪い行動によって息子が巻き添えになってしまう展開に、ハッと我が身を振り返る人も多いのではないかと思います」。そう話す鈴木自身も9歳の息子を持つ父親だが、鈴木家の父子関係は良好のようだ。「息子と一緒によく映画館に行くんです。去年は年間19本、今年は少し本数は減りましたが10本以上一緒に観に行きました」。

サンタ救出部隊のリーダー、ゾーイ(ルーシー・リュー)
サンタ救出部隊のリーダー、ゾーイ(ルーシー・リュー)[c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVEDIMAX[R] is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

最初に2人で行った映画は息子が3歳の時の『ジュラシック・ワールド』(15)。恐竜好きだからと連れて行ったら「怖すぎる!」と泣いて怒られたというが、2人はその後も映画館に通い続けた。「最初は映画館に行くとポップコーンが食べられるというのが息子のモチベーションでした。2人で出かけ、観たあとはグッズを買ったり感想を話し合ったり、ゲーセンに寄ったりしているうちに、親子の距離が縮まりました。体験を共有して、感想を聞くことで、いまはこんなことを考えてるのかと気付いたり、子どもの成長もよくわかります。たった2時間の映画も2人のイベントになって、僕には大切な時間です」と、映画体験の大切さを教えてくれた。

「日本とアメリカのエンタテインメントは、発想の幅が違います」

世界中の子どもたちへプレゼントを配るため様々なガジェットが搭載されたソリ
世界中の子どもたちへプレゼントを配るため様々なガジェットが搭載されたソリ[c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVEDIMAX[R] is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

ハリウッドらしいアクションエンタテインメントとして完成した本作。9月から配信がスタートした「極悪女王」の脚本とプロデュースも手掛けている鈴木に、日本とアメリカのエンタテインメントの違いをどう感じるか聞いてみた。「やはり発想の幅でしょうね。日本はハリウッドに比べどうしても予算が厳しいので、発想のゼロイチの幅の広さを実感させられます」という鈴木だが、こだわりを捨てずに通すこともある。「80年代が舞台の『極悪女王』にはいまの時代にないものが必要で、それを再現するにはかなり予算がかかります。たとえばプロレスのお話なので、試合シーンでは会場のお客さん全員を80年代の人々にしなければなりません。当然、何千人もの衣装とヘアメイクが必要になるので膨大な費用がかかり、めっちゃ怒られました(笑)」と振り返るが、結果、こだわりのビジュアルでも高い評価を獲得している。

32年間に及び放送作家を務めてきた鈴木おさむ
32年間に及び放送作家を務めてきた鈴木おさむ

創作活動をするうえで、映画からインスピレーションを受けることもあったという鈴木。『レッド・ワン』も現在抱えている仕事に影響を与えるかもしれない。「幼いころに見てきた大映ドラマに影響を受けたドラマを書いたこともありましたし、この映画もなにかヒントになるかもしれないですね。台本にかかわらず、設定がおもしろい映画は仕事のヒントになりますよ」。


もう一度、本作を息子と映画館で観てみたいという鈴木にお気に入りのシーンを聞くと、クリスマス映画に不可欠なサンタクロースの場面を挙げた。「サンタがプレゼントを配るシーンはとにかく秀逸でした。実際に配る様子を目にすると、本当にサンタは大変な仕事だと改めて思いました。 ドウェイン・ジョンソンはもちろん、クリス・エヴァンスの久しぶりに振り切った“ドアクション”が味わえるだけでなく、かっこいいお父さんを演じてくれていること、ルーシー・リュー(サンタ救出部隊のリーダー、ゾーイ役)のアクションが見られたのもうれしいですね。もう一つ、この映画はタイムサスペンスなんですよ。イブまで24時間、果たしてサンタを取り戻すことができるのか?その展開も楽しみました!」。

取材・文/神武団四郎

■鈴木おさむ(スタートアップファクトリー 代表)
19歳の時に放送作家になり、それから32年間、様々なコンテンツを生みだす。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始める。コンサル、講演なども行う。

世界最速のパワー系クリスマス映画を120%楽しむ!『レッド・ワン』特集【PR】
作品情報へ

関連作品