「愛する人にNOと言える勇気」「自分を見失わないことが大事」映画ファンが“ふたりで終わらせる”の意味に感動した理由は?

コラム

「愛する人にNOと言える勇気」「自分を見失わないことが大事」映画ファンが“ふたりで終わらせる”の意味に感動した理由は?

恋人、家族からの暴力…本作に込められた問題提起をどう受け止めた?

そんなキャラクターたちが紡ぐ人間模様が描かれる本作は、前半ではライトな恋愛映画といった雰囲気で進んでいくが、ある点から不穏な空気を帯びだし、“愛する人からの暴力”という現実に蔓延るシリアスな社会問題を浮き彫りにしていく。

ライルからの暴力に怯えながらも一歩踏みだしていくリリーの決断が心を打つ
ライルからの暴力に怯えながらも一歩踏みだしていくリリーの決断が心を打つ

「ライルの3度目の暴行シーン。火がついてしまったライルをなんとか落ち着かせよう、自分が傷つけられないようにしようとするリリーの様子には、恐怖を抱きながら見入ってしまった」(40代・女性)という描写など、その恐ろしさや暴力がもたらす心の闇がリアルに描かれており、それゆえに「考えさせられた」という感想が数多く寄せられていた。

「とても複雑ですが、いかなる場合でも暴力はよくない。気持ちがあるからこそ許してしまいがちですが、しっかり現実と向き合い考えること、決断すること、もし自分や周りの人が同じ状況になった場合、自分を見失わないことが大事だと思います」(40代・女性)
「愛する人にNOと言える勇気。愛するがゆえに気づけなかったり、我慢しそう」(30代・女性)
「愛の形はたくさんあるけれど、受け取り手がどう思うか、いつもそれを考えながら愛さなければならないと思った」(30代・女性)

タイトルの意味とは…?リリーの決断に勇気づけられた希望とエール

愛する人からの暴力という社会問題を描く『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』を観客はどう受け止めた?
愛する人からの暴力という社会問題を描く『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』を観客はどう受け止めた?

ライルをもう一度信じるべきか、悩み抜くリリーは、クライマックスでは両親から続く悲しみの連鎖を断ち切るべく、苦しみながらもある決断を下す。せつなくも力強く、前向きなリリーの決意には称賛の声が多く見受けられた。

「至極真っ当な選択だと思う。それでいて簡単な決断ではないので、勇気ある行動だとも思う。周囲にサポートしてくれる人たちがいたのも大きい」(20代・男性)
「耐える苦しさより、面倒でより大変な、愛する人との縁を断ち切る苦しさを選ぶ勇気を持てていた姿がすばらしいと思った」(30代・女性)
「難しい選択だと思いますが、それでも自分で決断して、それを自らの口で伝える勇気がかっこいいなと思いました」(30代・男性)
「リリー自身の強さもありますが、周りからの愛や思いやりを素直に受け止められるのが彼女の魅力だと思います」(20代・女性)
「過去と決別してよりよい未来へ進むための勇気をもらった」(30代・女性)
「パートナーのことを愛していたら許してしまうかもしれない。ただ、自分が許してしまったことで、子どもや周りの人に深い傷を与えるかもしれない。許さない勇気ということもあるのだと知りました」(30代・男性)

ライル役のジャスティン・バルドーニは監督も務めている
ライル役のジャスティン・バルドーニは監督も務めている

映画を観終えて初めて意味が理解できる“ふたりで終わらせる”というタイトルについても、

「”ふたり”とは?と気になっていたので上手く伏線が回収されていて、いいタイトルだと思った」(30代・女性)
「決意の強さを感じられるタイトルだと思う」(40代・男性)
「『ふたりで終わらせる』の”ふたり”が誰かについて、観る前、観ている途中の予想とはまた違って、はっとした」(40代・女性)


という言葉が示しているように、リリーの想いがラストにしっかりと回収され、観る前と観たあとで違う印象を噛みしめられる味わいがある。せつなく苦しくも、勇気づけられる『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』をぜひ劇場で観て、思いを巡らせてみてほしい。


構成・文/サンクレイオ翼

自分の信じる道を進みたいと願う『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』特集【PR】

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