【ネタバレなし】「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」1~3話レビュー。こんな「スター・ウォーズ」が観たかった…!
乗組員が“6人”であることの重要性
そして青春冒険モノの肝となる、子役たちの演技にもかなり魅せられる。ジェダイや冒険に憧れるウィムは、目の前のボタンはなんでも押したくなってしまう無邪気な少年。その冒険心や好奇心旺盛さは、『グーニーズ』(85)で海賊伝説の影響を受けて冒険を夢見る少年、マイキーを彷彿とさせる場面もあった。ほかにも親の前では優等生だが裏ではかなりやんちゃで負けん気の強い少女のファーン、「X-MEN」のサイクロップスのようなバイザーをつけた少女のKB、ゾウの見た目の少年のニールとみな個性豊か。思わず4人を応援したくなるような展開も待っている。
道中で出会うフォースを操る “謎の男”を演じるジュード・ロウも、もちろん輝きを放っている。ネタバレのため多くを書くことができないが、なんとも胡散臭さも感じる描写に、『新たなる希望(エピソード4)』(77)のころのハン・ソロをどことなく想起させる場面もあった。なぜフォースが使えるのか、初登場時になぜあんな場所にいたのか。第3話の段階でもあまりにも多くの謎に包まれているため、徐々に明らかになっていくだろう正体に今後も見逃せない。
タイトルになっている「スケルトン・クルー」は“最低限の乗組員”という意味である。視聴してみると、4人の子どもにドロイドと“謎の男“、個性豊かすぎる6人には最低限どころか最適な人数だと感じてしまうだろう。ちなみに、シリーズ第1作『新たなる希望(エピソード4)』でのミレニアム・ファルコンの乗組員は、ルーク、レイア、ハン・ソロ、チューバッカ、R2‐D2、C‐3POの6人(レイア救出前もオビ=ワンが乗船しているため、やはり6人)。役周りは本作とは異なっているものの、スペース・アドベンチャーさらには「スター・ウォーズ」の“新たなはじまり”を描くにあたっては、乗組員が6人であることが重要であるのかもしれない。
今回視聴できたのは第3話までとなるが、まだまだ“スケルトン・クルー”の冒険は始まったばかりだと感じさせ、今後どのような展開が待っているのか続きが気になるばかり。しかも第4話の監督は、「スター・ウォーズ」初参戦となる『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)のダニエルズ(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートのコンビ)であり、さらに期待が高まる。ぜひとも初回2話を観て、まったく新しい「スター・ウォーズ」を感じてほしい。
文/編集部