阿部寛主演『ショウタイムセブン』の撮影現場に潜入!「いま世の中に出すべきものに仕上がった」という本作に込められた、制作陣のこだわりとは
「渡辺監督のおかげで、いま世の中に出すべき作品に仕上がったと思います」
原作となる韓国映画『テロ,ライブ』の設定やリアルタイム進行という特徴を踏襲しつつも、オリジナル要素も加え、日本版としてリメイクされた『ショウタイムセブン』。本作の制作に至った経緯について、井手プロデューサーは「まずは『テロ,ライブ』のコンセプトが本当におもしろいなと思って。あるところに閉じ込められて、その場から動けないまま危機的状況に立ち向かっていくという物語に、韓国なりの社会性を盛り込んでいるのがいいなと思いました。原作の公開から10年近く経って、メディアと視聴者の関係性も変わってきたいまの日本で、同じコンセプトで作品をつくるとなった時に、同じような話になるんだろうかという疑問から、本作の企画がスタートしました」と振り返る。
井手プロデューサーと『ショウタイムセブン』を手掛けた渡辺監督との出会いは、2023年に公開された同監督の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。依頼については、「テレビ番組を実際につくったことがあって、リアルな感覚をもっていて、会話劇が中心になる物語にエンタメ性とリアリティを持ち込める方にお願いしたいと思った時に、渡辺監督がピッタリだと思いました。本作のお話を監督にした際にも、社会風刺の要素を含んだような作品は大好きと仰ってくださいました。元々別の方にお願いしようと思っていた脚本も、監督自ら書いてくださるというお話になり、そのおかげで想像していたものとは違った要素も盛り込まれて、いま世の中に出すべき作品に仕上がったなと思っています」としみじみ。
「(観客のみなさんには)最後まで犯人の声に翻弄されてほしいと思っています」
シチュエーションが限定されている、舞台のような会話劇となった本作について、「実力のある俳優でないと成り立たなかった」と語る井手プロデューサー。主演の阿部については「阿部さんしかいないなと思っています。犯人に振り回されながらも対峙していく折本というキャラクターは、(折本の)周りの人物や視聴者までも巻き込んでいく役柄。カリスマのようなエネルギーをもった役ということで、阿部さんほどパワーのある方はいないし、ハマり役だなと撮影中にも感じていました」と満足のいくキャスティングだったことを明かした。
折本降板後の「ショウタイム7」でキャスターを務める安積征哉役を演じた竜星については、「過去に舞台を観に行かせていただいた時に、舞台上での輝きや瞬発力がすごくある方だなと思いました。今回は阿部さんに対峙できる、異なるエネルギーをもった役柄ということで、その強みが存分に発揮されているなと感じています」とのこと。今回初めて現場で一緒になったという、同じく若手キャスターの結城千晴を演じた生見については、「経験豊富な面々が揃っているなかでも、物怖じすることなく、自分の役割をきちんと全うされているのを見て、若いながらも実力のある女優だなと感じました」とすっかり感心した様子。
また、「ショウタイム7」のプロデューサー、東海林剛史役として本作に参加した吉田に関しては、「舞台でシェイクスピアを長年やってこられていますし、実力は説明不要なくらい大ベテランの方ですが。本読みを全員で集まってやった時に、1人だけ音量のレベルが違ってビックリしてしまいました(笑)。本読みの時点から、ちょっとしたセリフの言い方や間合いがすばらしいと思いました」と舌を巻く。そして、公開までは明かされることのない犯人役のキャストについても、「本編を観ていたら、声で気づいてしまうかもしれませんが(笑)。最後まで声に翻弄されてほしいなと思っています」と触れていた。