抜群のライド感でシートベルトがほしい!?『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』4D上映で“ソニックスピード”を体感してみた
シャドウの悲しい過去…4Dのライド感が絶妙にドラマを盛り上げる
その後、チームソニックだけでは太刀打ちできない強敵のシャドウを追うため、かつてのソニックの宿敵であるジム・キャリー演じるドクター・ロボトニック(声:山寺宏一)と協力関係を結ぶ。共にシャドウの過去を探るなかで、ロボトニックは自分の祖父であり、ジム・キャリーが一人二役を演じるジェラルド(声:山寺宏一)と再会し、ジェラルドはシャドウの能力を用いることで産み出すことができた超兵器の開発に関わっていたことも明らかになる。
物語は、「ソニックの影とも言えるシャドウの抱える悲しい過去」、「ロボトニックと瓜二つの姿で、とある復讐に囚われ超兵器の起動に執念をもやすジェラルド」という、よく似たキャラクター同士をコインの裏表として描くような展開へと発展。バトル一辺倒な展開だけでなく仲間や家族との関わりの大切さも語られていき、前半は圧倒的なアクションで引き込み、その後勢いを殺さずに深みのあるキャラクタードラマへと移行する流れも、4Dと相性の良い構成になっていると言えるだろう。
というのも、4D上映はその性質上アクション演出に偏ってしまうため、人間関係が複雑なドラマや物語には、鑑賞に集中ができなかったりと相性が悪い場合もある。しかし本作はシンプルで含みのある人物描写と絶妙なストーリー構成で、ライド感も絶妙なバランスでプラスに働き、物語を楽しませてくれるよう作用している。
終盤はクライマックスの連続!4D演出も宇宙規模の激しさに…
こうして終盤パートへと突入すると、物語とバトルのスケール感がさらにパワーアップ。地球内どころか宇宙空間を股に掛けた戦いにまで拡大していく。ソニックとシャドウの再戦では、ふたりの高速バトルのさらに磨きがかかり、4D演出もさらに激しさを増していく!シリーズとしては初となる宇宙空間での無重力バトルも披露され、それまでの高速バトルとは異なるシートの動きで、スピード感に加えて浮遊感までも体感できてしまう。
アクションシーンが「これでもか!」とテンコ盛りの本作は、4D上映の要ともいえるシートの稼働演出パターンも多彩であり、1作品のなかでこれだけの動きを味わうことができるというのは4D体験としてはお得なポイントだと言える。こうした4D上映だからこそ映えるアクションシーン以外にも、東京が舞台となるからこそのコメディネタやシチュエーション、一人二役で見せるジム・キャリーのノリノリのギャグシーン、日本のアニメ作品をリスペクトした画作りなど、映像としてのバラエティ豊かさ、そして実写の出演陣とCGキャラが一緒になりながらも違和感がない映像クオリティも含めて、家族や友人と一緒に気軽に楽しめる一作となっている。
さらに4D上映の限定特典として「シャドウバイク 豪華キラステッカー」も数量限定配布!日本限定の入場者特典である本作の前日譚を描いた特別漫画冊子も同じく数量限定で配布されてるので、鑑賞後にさらに本作を楽しむのにもってこいだ。年末年始は、ちょっと過激なライドアトラクションを楽しむつもりで、ぜひ4D上映でソニックたちの高速バトルを楽しんでみてほしい。
文/石井誠