尾花夏樹率いる「グランメゾン東京」はいかにしてミシュラン三つ星を獲得したのか?『グランメゾン・パリ』へ至る波乱万丈のドラマをプレイバック
波乱に満ちたドラマが美しい料理の数々に彩られる
そんな波乱に満ちたドラマが、尾花たちが次々に作りだす見た目もアートのように美しく美味しそうな料理の数々と、スタイリッシュな調理のプロセス、インサートされる食材のクレジットと重ね合わせるように描かれるのが、本作の醍醐味。一流シェフになりきった木村や相沢役の及川光博らによる鮮やかな包丁さばきや洗練された調理技法、ホールを仕切る京野に扮した沢村一樹の行き届いた接客に魅せられ、それぞれの登場人物の悩みや葛藤を“美味しい料理を作るために必要なもの”はなんなのか?を少しずつひも解きながら描くヒューマンなドラマに、多くの視聴者が心を揺り動かされた。
そして、グランメゾン東京は様々な困難を最高のチームで乗り越え、ミシュランの前哨戦となる「トップレストラン50」でgakuの8位に続く10位にランクイン。クライマックスでは思いがけない料理でミシュランの三つ星に輝くという快挙も成し遂げるが、スーシェフ(料理長をサポートする料理人)の立場に甘んじてきた尾花にとって、ここまでは壮大なプロローグだったのかもしれない。
一度は夢破れた尾花が再びフランスでの三つ星獲得に挑む『グランメゾン・パリ』
『グランメゾン・パリ』が描くのは、一度は夢破れた尾花が再びフランスへ渡り、オーナーシェフとして今度はパリのミシュラン三つ星を獲りにいくストーリー。かつての師匠との確執や対立に屈することなく、フランス人以外のシェフが獲ることは難しいとされるその難関に、倫子や京野、相沢と一丸となって、韓国の人気アイドル、2PMのオク・テギョンが演じるパティシエ、Aぇ! groupの正門良規が扮したコミ(見習い)を巻き込みながら挑むのだから、これまで以上に熱い展開が期待できる。
しかも、2020年の「ミシュランガイド フランス」で実際にアジア人初の三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理を監修し、その美しさとインパクトで尾花の挑戦をリアルなものに。脚本の黒岩勉(「キングダム」シリーズ)と監督の塚原あゆ子(『ラストマイル』)がドラマ版から続投して、過去のエピソードともリンクさせたストーリーを展開する。映画の感動や興奮が倍増するのは間違いない!
文/イソガイマサト