放送作家としても活躍!どきどきキャンプ、佐藤満春が『ショウタイムセブン』のリアリティに唸る「作り手側としての脳が動いてしまう」

放送作家としても活躍!どきどきキャンプ、佐藤満春が『ショウタイムセブン』のリアリティに唸る「作り手側としての脳が動いてしまう」

韓国映画『テロ,ライブ』(13)を原作にオリジナル要素を盛り込んだ映画『ショウタイムセブン』(2月7日公開)。阿部寛を主演に迎え、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(23)で実写映画初監督を務めた渡辺一貴がメガホンを取り、テレビの生放送中に爆弾犯との命掛けの交渉に挑むキャスターの姿をリアルタイム進行で描くサスペンスだ。

午後7時、ラジオ局に1本の電話が入り、その直後に発電所で爆破事件が起こる。電話をかけてきたのは、爆弾を仕掛けた張本人である謎の男。男は交渉人として、ラジオ局に左遷された国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元キャスター、折本眞之輔(阿部)を指名する。これを番組復帰のチャンスと考えた折本は生放送中の「ショウタイム7」に乗り込み、自らキャスターを務めて犯人との生中継を強行するが、そのスタジオにも、すでにどこかに爆弾が設置されていたことが判明。自身のすべての発言が生死を分ける極限状態に追い込まれた折本の姿は、リアルタイムで国民に拡散されていく――。なぜ彼が指名されたのか?犯人の正体と本当の目的とは?すべてが明らかになる時、折本が選ぶ予測不能の結末。あなたは“ラスト6分”に驚愕する。

「映画を観た方のなかで僕が一番楽しめたんじゃないですかね(笑)」

朝の情報番組から、ラジオ番組まで手掛ける佐藤から見ても「絶妙なリアリティ」があったという本作
朝の情報番組から、ラジオ番組まで手掛ける佐藤から見ても「絶妙なリアリティ」があったという本作撮影/Jumpei Yamada

本作をひと足早く鑑賞したのは、お笑いコンビ、どきどきキャンプの佐藤満春。放送作家として、「スッキリ」や「DayDay.」など朝の情報番組を多数担当し、ラジオ番組も手掛けている佐藤は「めちゃくちゃおもしろかったです!」と太鼓判を押す。「裏側のドタバタ感、スタッフの配置や役割、生放送中のラジオでの電話の繋ぎも含めて絶妙なリアリティがありました。テレビとラジオを行き来するところは、両方の裏を知っている人間としてもすごくワクワクしました。映画を観た方のなかで僕が一番楽しめたんじゃないですかね(笑)」と興奮気味に感想を語る。

「岸辺露伴は動かない」シリーズをサスペンスフルで高クオリティに作り上げたことでも知られる渡辺監督は、NHKで数多くのテレビドラマ作品を手掛けてきた人物であり、佐藤は本作からその背景も感じ取ったと指摘する。「すごくこだわって作っているのを感じて。さすがはテレビ局や番組制作をよく知っている方。物語に感情移入し、グッと入り込むことができたのはそのあたりの細かい描写に理由があったと思っています」と唸った。生放送で犯人と電話を繋ぎリアルタイムのやりとりを放送するという設定は、「極端な例ではあるけれど、起こってもおかしくない出来事ですよね。出演者のプライドとか、裏方の制作の想いもすごくわかるし、撮り続けているカメラマンの胸中とか、ラジオ側のディレクターが、どんな気持ちで電話のやり取りを聴いていたのかを想像してしまう自分がいました」と、裏側を知る人間としての気持ちも吐露。

「制作目線で言うと、『行け行け!』と思ったりもしました」


阿部演じる元キャスターの折本は、「ショウタイム7」に乗り込み、テロリストとの生中継を強行する…
阿部演じる元キャスターの折本は、「ショウタイム7」に乗り込み、テロリストとの生中継を強行する…[c]2025『ショウタイムセブン』製作委員会

この物語は“生放送”であることがポイントだとし、「収録だったらカットされて終わるだけ。本当にいま起きているような、生放送ならではのライブ感を感じながら観られることに興奮しました」と明かす。「起きてはいけないこと、起こってほしくないこと」という前提のもと、もし佐藤が同じようなシチュエーションに置かれた場合、アドレナリンが出てくる感覚は否定できないとニヤリ。「制作目線で言うと、『行け行け!』と思ったりもしました。セリフとしてはなかったけれど、テレビ局側の裏では『数字が取れているぞ!』みたいなやりとりが絶対あったはず。毎分出てくる視聴率などのデータはとんでもないことになっていると想像すると、こんな場所に閉じ込められてこれからどうなるんだろうと心配する一方で、これが放送されているんだよな…という作り手側としての脳が動いてしまうと思います」とのこと。

「結局、生放送ではハプニングが一番おもしろいんです!」と語る佐藤。「生放送は尺管理も含めてちゃんとしなきゃいけない前提で作ります。だからこそちゃんとしなかった時がおもしろいし、変なことが起きた時にワクワクしちゃうんです。朝の情報番組は『スッキリ』時代から数えて10年以上やっていますが、(MCの)加藤浩次さんのズボンのチャックが開いていたとか、誰かがトイレに行って戻ってこないから繋がなきゃとか、誰も傷つかない系のハプニングであれば『よしよし!』って気持ちになるんです。この映画で描かれるのはハプニングの極端な例ですよね」。

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