『イノセンス』がオープニング作品に!アニメ史を変えたCG作品も並ぶ第3回新潟国際アニメーション映画祭
3月15日(土)から20日(木・祝)にかけて開催される第3回新潟国際アニメーション映画祭。本映画祭のオープニング作品、オールナイト上映のラインナップが決定した。
6日間に及ぶ映画祭の開幕を告げるオープニング作品として上映されるのは『イノセンス』(04)。第1回長編コンペ部門の審査員長を務め、映画祭にも大きな功績を与えた押井守監督の作品が凱旋となる。本作の舞台は、人とサイボーグ(機械化人間)、ロボット(人形)が共存する2032年の日本。ある日、少女型の愛玩用ロボットが暴走を起こし、所有者を惨殺する事件が発生する。人間のために作られたはずのロボットがなぜ、人間を襲ったのか?公安9課のバトー(声:大塚明夫)と相棒のトグサ(声:山寺宏一)が捜査に向かうが、電脳ネットワークを駆使して「脳」を攻撃する“謎のハッカー”の妨害に苦しむことに…。『イノセンス』の上映に合わせてトークイベントの実施も決定しており、Production I.G代表取締役会長で同作の製作&プロデューサーを務めた石川光久が登壇予定となっている。
さらに、「渋谷パイロットフィルムフェスティバル in 新潟」という企画も行われる。パイロットフィルムとは、映画を制作する前にテストとして作られる映像のことで、企画の魅力を実際に映像化することで伝わりやすくし、製作資金やチームを集めるためにも活用される。本プログラムでは、貴重なパイロットフィルムの数々を上映するとともに、クリエイティブディレクターの川村真司と栗林和明、岩井澤健治監督をトークゲストに迎えてのイベントも行い、映画作りの面白さを追求していくという。
そして、「日本のCGアニメ その転換期」をテーマに掲げたオールナイト部門では、CG技術でアニメの映像を変えたエポックメイキングな3本をラインナップ。神山健治監督による「機動警察パトレイバー」の世界観&人物設定をもとにしたフルCG短編シリーズ『ミニパト』(02)、士郎正宗のSFコミックを荒牧伸志監督が映像化した『アップルシード』(02)、海洋テロ結社の野望を阻止するため、超国家組織“青”の潜水艦が人類の存亡を賭けた任務に出撃する前田真宏監督作『青の6号』(98)が上映される。
あわせて映画祭の予告映像も解禁。2024年に行われた第2回の会場の様子と今回の長編コンペティション部門にノミネートされた作品の映像で構成。躍動感と想像力を掻き立てる作品の数々、そして会場の熱気は、映画祭が目指すグローバル・アニメーションの創造のマグマを体現している。第3回への期待高まる予告映像となった。
アニメーション史に残る名作、革新的な作品も揃う第3回新潟国際アニメーション映画祭。ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。
文/平尾嘉浩