放送開始から11年。いまなお人気の「コードギアス」の魅力とは?
2006年10月より放送されたテレビアニメ「コードギアス」シリーズ。その2期全50話を3部作の劇場版として再構成した第1作『コードギアス 反逆のルルーシュI 興道(こうどう)』(10月21日公開)がいよいよお披露目される。放送から11年経ったいまも絶大な人気を誇る同作の魅力とは何なのか?
緻密に練られた“反逆の物語”
まず、本作の最大の魅力は設定の妙にある。舞台は世界の3分の1を支配する超大国“神聖ブリタニア帝国”の占領下、“エリア11”と呼称された日本。支配者にしてブリタニアの皇子でありながら人質としてエリア11に送られたルルーシュ・ランペルージ(声:福山潤)と、日本国総理大臣の息子でありながらブリタニア軍の兵士となった枢木スザク(声:櫻井孝宏)、幼なじみでもあるこの2人を軸に物語は展開する。
ブリタニアの日本侵攻から7年後、突然現れた仮面の男“ゼロ(=ルルーシュ)”率いる反ブリタニア勢力“黒の騎士団”は神聖ブリタニア帝国に戦いを挑む。圧倒的な戦力差がありながらも知的な戦略で物事を優位に進めるルルーシュの最大の武器が、謎の少女C.C.(声:ゆかな)から授けられた“ギアス”と呼ばれる特別な力だ。ルルーシュの左眼を見た相手は彼の命令に従わざるをえず、ここぞという場面でその力は発揮される。
ルルーシュの父への復讐というシリアスな物語でありながら、本作はルルーシュとスザクが通う学園でのエピソードも描かれ、学園ドラマとしての趣もある。戦場では黒の騎士団とブリタニア軍という対峙する間柄でありながら、スザクはルルーシュが“ゼロ”であることを知らず、学園生活では昔からの親友として接する。いつルルーシュがゼロであることがスザクにばれるのか?そんなハラハラドキドキもある。
胸が熱くなるロボバトルと音楽
また、本作の製作スタジオで『機動戦士ガンダム』でもおなじみサンライズのお家芸、リアルロボット路線を継承した“ナイトメアフレーム”と呼ばれるロボット同士のバトルも、本作の大きな魅力だ。黒の騎士団のカレン・シュタットフェルト(声:小清水亜美)が操る紅蓮弐式とブリタニア軍のスザクが操るランスロットが幾度にもわたって繰り広げる激闘は毎回スリリングだ。
そんなバトルシーンを盛り上げるのが中川幸太郎と黒石ひとみによる劇伴。オーケストラの壮大なメロディにスパニッシュギターやトランペットなどの金管楽器が鳴り響き、何度も本作を見ている人なら、その曲を聴くだけで名シーンの数々が思い浮かぶはず。
テレビ放送時は急変する展開に1話たりとも見逃せないと評判だったが、新作カットを加えて再構成された本作では、まさに息つく暇もないような濃密な時間となること間違いなし。リアルタイムで興奮した人も、未見の人もぜひこの機会に「コードギアス」のドラマティックな物語を楽しんでほしい。【トライワークス】