土屋太鳳、“師匠”佐藤健の愛情深さを再確認!「本当に温かくて優しい方で、全部に愛情がこもっています」
佐藤健と土屋太鳳がW主演を務める『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(12月16日公開)。土屋は佐藤のことを「健先輩」と呼んでリスペクトし、佐藤も「正直、この物語を映画化すると言われた時、土屋さんしか思い浮かばなかったです」と心から共演を喜んだそうだ。
結婚式を間近に控えた尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。ある日、麻衣が突然病に倒れ、意識不明の状態が続く。尚志や家族が麻衣の回復を信じ続ける中、麻衣はようやく目を覚ますが、さらなる過酷な試練が2人を待ち受けていた。
佐藤たちは、最初にモデルとなった中原尚志・麻衣夫妻のドキュメンタリー映像を観て心を打たれたそうだ。「すごく感動しました。だからこそ、たくさんの方にこの実話を知ってほしいと思ったし、こんなに魅力的な方々が送った人生を自分自身が演じてみたいと思いました」。
土屋も同じ思いで本作に臨んだ。「愛情を注ぎ続けることの大切さを痛感しましたし、ただの感動物語ではないと思いました。撮影前に麻衣さんたちと直接お会いする機会があり、周りの方々が愛情を注いだことによって起きた奇跡だと知って、責任を持って役を務めようと思いました」。
佐藤は、土屋の3年前の共演時と変わらない真摯な姿勢に改めて感心させられたと言う。「全身全霊でこの役に向かっていくんだろうなと想像はついていましたが、やっぱりそういう女優さんでした。そういう部分はまったく変わっていなかったし、出会ってからのイメージもそんなに変わってないです」。
土屋は佐藤の演技力だけでなく、人間としての愛情深さも再確認したと言う。「私は以前共演した時から師匠として健先輩のことを尊敬していましたが、今回もさすがだなと思いました。人としても、お芝居の面でも本当に温かくて優しい方で、全部に愛情がこもっています。だから常に、麻衣さんを演じている私自身もすごく愛情を感じていました」。
撮影で苦労した点について尋ねると、佐藤は「いつも笑顔でいること」と答える。「実際に尚志さんは常にニコニコされていて、いわばニュートラルな表情が笑顔の方なんです。それは僕の中にあまりない要素だったので、そこが難しかったです」。
土屋は、闘病中のシーンで、4時間かけての特殊メイクに挑んだ。「私よりも顔を作ってくださる側の方が大変だったのではないかと。撮影は管をいっぱいつけ、口の中にマウスピースを入れたまま寝たきりになるので、脱水症状や貧血気味になったりしました。一度、ちょっと苦しくなった時は、監修で入られていたお医者さんが対応してくださったので良かったです」。
その寝たきりの撮影で、土屋は周りの人々の愛情をひしひしと感じたそうだ。「寝ている時の世界はとても暗かったのですが、麻衣さんが見ていた景色はもっと想像を絶する苦しさだったんだろうなと思いました。尚志さんと同じように健先輩が足をさすってくださったり、両親役の杉本哲太さんや薬師丸ひろ子さんが面白い話をしてくださったりして、すごく愛情を感じました。自分がどう頑張ったかというよりは、健先輩をはじめ、瀬々(敬久)組の方々が支えてくださったからこそ、乗り越えられたという感じです」。
佐藤も土屋の頑張りを大いに称える。「土屋さんは、僕がやれと言われてもできないような難しい芝居を要求されていた。この役に届くような女優さんは土屋さんしか思い当たらなかったです。土屋さんは、僕が支えてくれたと毎回言ってくれるんですが、感謝したいのは僕の方。本当にありがとうございました」。
取材・文/山崎 伸子