【密着レポート】日中共同製作映画『空海』北京ワールドプレミアに染谷将太、阿部寛らオールスターが集結!

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【密着レポート】日中共同製作映画『空海』北京ワールドプレミアに染谷将太、阿部寛らオールスターが集結!

ベストセラー作家・夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を原作に、カンヌ国際映画祭パルム・ドールなど多数の受賞歴を誇る巨匠チェン・カイコーが監督を務めた日中共同製作映画史上最大の規模を誇る『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』(18年2月24日公開)。

主人公の空海を演じる染谷将太は本作が海外作品初主演で、昨年秋から今年1月頭にかけて約4か月にわたり中国での撮影に臨んだ。空海の相棒となる稀代の詩人・白楽天役には中国内で今“好感度ナンバーワン俳優”と言われるホアン・シュアンが扮し、日中の若手スターが共演を果たした。

今回中国・北京にて行われた本作のワールドプレミアは染谷にとっても撮影終了以来の訪中となった。本イベントに先がけて取材した際に中国ロケの思い出を尋ねると、はにかみながら「中国語のセリフを覚えるのに必死でした。ホテルと現場の行ったり来たりでしたね」と、超大作の主演として気が抜けない現場であったことを答えてくれた染谷。今回は撮影のプレッシャーから解放された状態で待望の中国訪問となり、万感の思いがあったようだ。

そして12月17日、「インターコンチネンタル 北京 サンリトゥン」にキャスト・スタッフ陣が集結し、本作の鍵を握る黒猫にちなんだブラックカーペット、贅を尽くした会場での盛大な記者会見が実施された。本イベントには、日本から染谷のほか、阿倍仲麻呂役を演じた阿部寛、監督たってのラブコールで本作に参加した松坂慶子、原作者の夢枕獏、製作総指揮を務めた株式会社KADOKAWA取締役会長・角川歴彦が登壇した。

中国マスコミをはじめ有名ブロガーなど約140人の報道関係者が詰めかけ会場中が熱気に包まれている中、キャスト陣は黒を基調に怪しく妖猫の目が光る巨大パネルが設置されたブラックカーペットに登場。彼らがチェン・カイコー監督、ホアン・シュアン、楊貴妃役のチャン・ロンロンをはじめ11名の中国キャスト・スタッフと共に登場するや、会場中からは熱い声援が飛び交い、熱烈な歓迎を受けた。

その後行われた記者会見では、まず染谷とホアンが登壇。染谷が中国語で挨拶をすると、会場からは驚きの声が上がった。

司会者に染谷とのコンビについて問われたホアンは「詩人は本当に気持ちが豊かで、僧侶はとても理性的な役柄なので、僕たちはお互いに影響を及ぼしあって自分の成長へつなげることができました」と絆をアピールした。

それに応えた染谷は「ホアンがすごくサポートしてくれたことに感謝しています。彼の助けがなければ乗り越えることができなかったと思います」と慣れない土地で自分を支えてくれた“相棒”に微笑みかけた。すると続けて「ずっとホアンはかっこよくて、かわいいなと思ってみていました」と、まさかの告白。

空海役に抜擢された理由を問われた染谷は「自分は天然パーマですが、頭の形には自信がありました(笑)」と謙遜。「現場では良く一休さんと言われていました」などの発言で会場中を笑いに包み込んだ。そんな最中、突如ぶっつけ本番の中国語読み方クイズが出題されたが、染谷は流暢な発音で読みこなし勉強の成果を見せつけた。

続いて登壇した阿部寛と松坂慶子に会場は大興奮。中国において阿部は日本人俳優として圧倒的知名度を誇り、主演ドラマの多くが国民に親しまれているそうだ。また松坂もアジア全域において名女優として知られている。

阿部は「阿倍仲麻呂という遣唐使の役をやりました。僕も阿部なんです」と茶目っ気たっぷりに挨拶。「当時唐に渡ってきた人物として文化交流があったように、今回も作品を通して中国と日本の交流を顕彰していければいいなと思います」と想いを語った。

松坂は「長年憧れていたチェン・カイコー監督の作品に出演することが出来、光栄でした。現場では俳優が一番いい状態で演技できるような環境を作ってくださって本当に感謝しています」と監督への感謝を述べる。すると、一呼吸おいて「実は、長年女優の仕事をしてきて、そろそろ一つ区切りをつけようかと思っておりました」と発言。会場にどよめきが走った。

「そんな時に監督からこのような作品にお声がけいただき、真摯な思いで貫かれた撮影現場で素晴らしい映画作りを体験して、頑張ろうと思わせていただきました」と語り、本作への参加が女優業を継続するモチベーションになったと明かした。

原作者の夢枕獏は、自作がこのようなスケールの大きな作品として映像化されたことについて「私は中国が大好きで、最初に訪れたのは30年以上前のことでした。その時僕は30代の若者でしたが、当時の自分にこのような素晴らしい未来があるよと言ってあげたいです。本当に夢のようでした」と感慨深げに語る。

「これまで10年近く監督との打合せで年に1度、中国のいろいろなところへ行って勉強させていただき、特に監督には様々なことを教えていただきました。『獏、唐の貴族はどうやって酒を飲むかわかるか?』と聞かれ、盃をかわしてこうして飲むんだと教えてくれた監督はかっこよかったです」と監督とのエピソードを披露。

製作総指揮を務めた角川歴彦は「この映画は日本と中国との1000年、2000年にも及ぶ深い文化交流を物語った作品です。壮大な物語を作ってくれた夢枕獏さんと監督、日中の映画人が結集した非常に価値のある映画だと思います」と、自らが指揮を執り、長年の歳月をかけて完成させた本作の出来栄えに自信を見せた。

中国では今週末12月22日(金)より5万スクリーンもの規模で公開される『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』。この壮大な物語は、間違いなく日中の文化的懸け橋になっていくだろう。

取材・文/編集部

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