「さよ朝」新進声優・石見舞菜香を直撃!声優になったきっかけは「あの花」!?

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「さよ朝」新進声優・石見舞菜香を直撃!声優になったきっかけは「あの花」!?

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(13)、『心が叫びたがってるんだ。』(15)などで知られる、脚本家・岡田麿里の初監督作品として注目を集める映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』(2月24日公開)。同作で10代半ばで外見の成長が止まり、寿命も数百年というヒロイン、マキア役の声を務めたのが新人声優・石見舞菜香。映画初挑戦にして主役の大役を担う石見に、作品への思いや、声優を志すようになったきっかけを語ってもらった。

映画初挑戦で主役の大役を担った声優・石見舞菜香
映画初挑戦で主役の大役を担った声優・石見舞菜香

声優を志したきっかけは岡田麿里が手掛けた作品

ヒロインを務めた「クジラの子らは砂上に歌う」(17)など17年だけで10数本のアニメで声優を務めた石見。そもそも声優を志した理由は岡田が手掛けた作品に起因する。「きっかけは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』に感動したからなんです!ヒロインの“めんま”の声を担当した茅野愛衣さんの演技に引き込まれて、私もこんな風に人の心を動かせる仕事がしたいと思うようになりました」と本人は語る。

さらに「(岡田)監督が脚本を手掛けた作品では、TVアニメ『凪のあすから』(13~14)も印象的です。ヒロインが私と同じ名前だったのが、作品に触れるきっかけだったのですが、空や海の映像がすごくきれいで惹き付けられました。美術監督が本作と同じ東地和生さんだったのですが、視覚的にもアニメーションを楽しめるということを発見した作品です」という。

【写真を見る】声優になるきっかけは、本作の監督・岡田麿里が手掛けた作品だった!?
【写真を見る】声優になるきっかけは、本作の監督・岡田麿里が手掛けた作品だった!?

憧れの存在や大勢の先輩声優と共演

本作で茅野をはじめ大勢の先輩声優との共演を果たした石見。「マキアと茅野さんが演じたレイリアは幼なじみということで、かけ合いのシーンもたくさんあり、うまく成立するかドキドキしました。すごくすてきな方で、アドバイスをいただいたり、優しくしていただきました」と憧れの存在との共演を振り返る。

さらに「私と親子役を演じた入野自由さんや、細谷佳正さん、日笠陽子さんたちにもお芝居のアドバイスをたくさんいただいたり、私が感極まって涙が出てしまった時には久野美咲さんがそっとティッシュを渡してくれたり、周りのみなさんにたくさん支えていただきました」と先輩たちとの思い出も明かす。

石見が演じたマキアは、外見の成長が10代で止まり、数百年の寿命を持つ“イオルフ”という種族の少女。彼女はある出来事をきっかけに、人間の孤児・エリアルと出会い、我が子として育てることになる。石見いわく岡田からは具体的な役作りの指示はなく「『そのままで大丈夫だから、下手に役を作りこまないでほしい』と言われたんです。不安な気持ちも、うれしい気持ちも素直に表現するように心がけました」と説明し、まさに等身大の自分でマキアを演じたようだ。

里を飛び出しひとりぼっちになったマキアは親を亡くしたエリアルを見つけ、我が子として育てようとする
里を飛び出しひとりぼっちになったマキアは親を亡くしたエリアルを見つけ、我が子として育てようとする[c]PROJECT MAQUIA

母親としての立場を演じるに際しては「親になった経験はないので、疲れた時の様子や表情などを研究するため、私の母の姿をよく観察しました」と説明。その一方で「母には受験や養成所のオーディションの時などについてきてもらい、手を握ってくれたり手紙をくれたりして、勇気づけられていました」と、大事な場面でいつも支えられてきたことも語ってくれた。

一度決めたことは曲げないタイプ

本作では親と子の衝突も描かれているが、石見自身が声優になると決めた時に親からの反対があったようで、「養成所に通いたくて親に相談した時、母は『好きなことをやりなさい』と応援してくれたのですが、父はかなり心配していたみたいで、中々OKしてくれませんでした」と最初は声優を目指すことを反対されていたようだが、一度決めたことは曲げないタイプだと話す石見。「養成所に通えないなら高校には行かないって、逆に脅しをかけました。それで、最終的に口説き落とした形です(笑)」と意志が強い一面も。この辺りは、周囲の反対を押し切って、エリアルを最後まで育てようとしたマキアとも共通しそうだ。

マキアとエリアルは本当の親子のような絆で結ばれていた
マキアとエリアルは本当の親子のような絆で結ばれていた[c]PROJECT MAQUIA

また、自身の性格について、非積極的だけど目立つことは好きだったと話す石見。「小学校の時に大好きな先生が演劇クラブの顧問をやっていて、“おじいちゃん先生”と呼ばれていたのですが、その先生目当てでクラブに参加していました。オーディションで役を決めるので、幼いながらに燃えていましたね」としており、小学生時代の経験が声優という仕事の下地になっているのかもしれない。

初収録作品の役は苦手なタイプのキャラクター?

本作でありのままにヒロインを演じた石見。しかし、初めて携わったアニメ作品で中学生の恋愛や青春を描いた「月がきれい」(17)では正反対の役を演じたよう。「クラスの中心グループにいる女の子の役だったのですが、私自身はそういう子たちを違う世界の人たちだと思っていました。全く共通点が見つからないので、クラスの目立つ子たちを観察していたら、意外と楽しそうだなって思えるようになって、彼女たちへの印象が変わりました」。

デビューして間もないが、すでにアフレコを幾度も経験してきた石見。今後の目標は「いまはまだ一杯一杯なところがあるのですが、もっといろんな役を演じて、余裕が持てるようになりたいです。そうすれば、深いところまで物語を感じ取れるようになって、人の心を動かせる、人の心に残るようなお芝居ができるのかなと思います」とも。

不老のマキアと違い、エリアルはあっという間に成長してしまう
不老のマキアと違い、エリアルはあっという間に成長してしまう[c]PROJECT MAQUIA

本作の見どころやについて尋ねると「あえて見どころは絞れないのですが、皆さんにいまの自分を重ねて鑑賞していただきたいです。子どもと大人では、感じ方がすごく変わってくると思います。私も母親になったことがないのでわからないのですが、例えば、子どもの時と、自分が親になった時など、遠い未来にもう一度見直した時に変化があると思うので、まずはありのままの自分で本作を受け止めてほしいです」と話す。石見舞菜香がありのままで演じたヒロイン、マキアに注目だ。

文・取材/トライワークス

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